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トランプ氏、主張を撤回「違法な命令しない」

 【ワシントン西田進一郎】米大統領選の共和党候補指名争いをリードする実業家ドナルド・トランプ氏(69)が4日、テロ容疑者への拷問や家族らの殺害を支持するとの主張を事実上撤回する声明を発表した。3日のテレビ討論会では「私がやれと言えば(米軍が拷問や殺害を)実行する」などと主張していたが、態度を一変させた。トランプ氏は発言撤回について「柔軟性が必要だ」と意に介していない。

     トランプ氏は過激派組織「イスラム国」(IS)対策として、テロ容疑者に対する「水責め」など拷問の実施や、テロリストの家族らを殺害することなどを繰り返し主張してきた。3日の討論会でも「水責めより強硬な手段をとるべきだ」などと語っていた。

     こうした拷問について、専門家からはジュネーブ条約に違反するとの批判が出ており、ヘイデン元中央情報局(CIA)長官はテレビ番組で「米軍は違法な命令に従う必要はない。国際法違反になる」などと語って騒動になっていた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、トランプ氏は4日の声明で「米国は法や条約に縛られており、米軍や当局に法に触れるような命令はしない」と説明したという。

     トランプ氏が政策や主張を変えるのは珍しいことではない。イラク戦争を巡っても、2002年に支持すると答えるインタビュー映像があるにもかかわらず、昨年の立候補表明以降は「開戦前(03年3月)から反対してきた」と主張。人工妊娠中絶の権利については、かつては強く容認するとインタビューで答えていたが、今は自分は強硬に認めない立場だと強調する。トランプ氏は「(立場が)変わった」と説明している。

     シリア難民の受け入れも「容認」から「拒否」に変わった。テレビ討論会で司会者から「多くの事柄で変わっている」と指摘されると、「柔軟性のない人で成功した人を見たことがない。ある程度の柔軟性を持つ必要がある」などと変更を正当化した。ネコの目のように変わるトランプ氏の発言だが、今のところ支持率への影響はみられていない。

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