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トルコ

ザマン紙、消えた政権批判 政府管理下で初発行

 【エルサレム大治朋子】トルコの裁判所の決定で政府管理下に置かれた同国最大紙ザマン(英字紙含め約65万部)が6日、その後初の新聞を発行した。近年、政権批判の急先鋒(せんぽう)となってきた同紙の1面記事は、エルドアン大統領の女性集会への参加など政府の宣伝的内容が大半となり、早くも露骨な様変わりを見せている。

     「政府管理下、最初の紙面はエルドアン支援の論調」。イスラエルのリベラル系メディア、ハーレツ紙は6日、そう酷評した。1面記事は、エルドアン氏が女性の日の記念集会で参加女性の手を取る様子や、政府による30億ドル規模の橋の建設計画などを詳報している。AFP通信などによると、6日付の新聞制作は裁判所指名の管財人らが担当した模様。

     トルコの裁判所は4日、ザマン紙を政府管理下に置く決定をした。その理由について、経営母体の「ザマン・メディアグループ」が「テロ活動を支援した疑い」としたが、詳細は明らかにしていない。ダウトオール首相は7日、「テロ組織」への不正な資金援助の疑いで捜査中だとしたうえで、報道への「政治的関与ではない」と強調した。

     だが背景として指摘されているのは、エルドアン氏と、ザマン紙の経営母体が支援するという米国在住のイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師の対立だ。同師はトルコの国是でもある世俗主義を支持する穏健派。支持者やその活動は「ギュレン派」「ギュレン活動」と呼ばれ、教育機関やメディア界などに幅広い支持層を持つ。

     ギュレン師やその支持者は当初、エルドアン氏や、その創設したイスラム系与党・公正発展党(AKP)と協力関係にあった。しかし同党による単独政権が2002年以降、3期連続と長期におよぶにつれ「イスラム色や独善色を強め、国是の世俗主義や民主主義が損なわれている」(ギュレン派)との危機感を強め、次第に離反したとされる。

     相互の不信感を背景に、13年春、イスタンブールで大規模な政権批判デモが起きると、エルドアン氏は「ギュレン派によるテロ活動」と批判。同年12月、治安当局がエルドアン氏やその家族を含む大規模な政界汚職事件に着手した際も「ギュレン派の陰謀」と非難した。トルコ政府は15年秋、ギュレン師の率いる団体を「テロ組織」に指定。メディアでは、特にザマンを支援組織だと指弾し、同年10月、ザマン英字紙の編集長を「ツイッターでエルドアン大統領を攻撃した」として逮捕するなど、記者拘束や検挙を繰り返してきた。

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