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「ひげ禁止違憲」運転士2人が提訴

提訴後、記者会見する大阪市営地下鉄の運転士の男性(左)=大阪市北区で2016年3月9日午後2時4分、三村政司撮影

 ひげをそるよう定めた大阪市交通局の内規に従わなかったところ、不当に低い人事評価を受け個人の自由を侵害されたとして市営地下鉄の男性運転士2人が市を相手取り、ひげをそる義務がないことの確認や慰謝料など計約450万円の賠償を求める訴訟を9日、大阪地裁に起こした。

     原告は市交通局で20年以上運転士を務めている50代の男性2人で、口の上やあごにひげを生やしている。

     訴状によると、市は橋下徹前市長時代の2012年5月、服務規律を強化する市職員基本条例を制定した。市交通局運輸部でも同年9月「職員の身だしなみ基準」を独自に設け男性職員のひげを「伸ばさず、きれいにそること」とし、2人は13、14年度の人事考課で低評価を受けたという。

     その上で「ひげを生やす自由は(幸福追求権を定める)憲法13条で保障された権利で、職務命令でひげをそることを強制するのは、違憲で違法」と主張。低評価でカットされた2年間のボーナス分として計約16万8000円や、国家賠償法に基づき慰謝料を請求した。1人については「最低ランクだった評価で分限処分を受ける危険がある」として処分の差し止めも求めた。

     市交通局は「訴状が届き次第、内容を確認し対応する」とコメントした。

    「乗客から苦情ない」

     提訴後、男性運転士1人が記者会見し、「ひげの手入れを怠ったことはなく、乗客から苦情を言われたこともない」と訴えた。大阪弁護士会は今年1月、人権侵害があったと判断し、市交通局にひげに関する内規を廃止するよう勧告している。

     身だしなみを巡る訴訟は過去にもある。郵便事業会社(当時)の男性職員が「ひげや長髪は不可」とする内規に従わなかったところ、低い人事評価を受けたなどとして、慰謝料などを求めて神戸地裁に提訴した。

     同地裁は2010年、内規について「ひげと長髪を一律に不可としたものであれば過度の制限にあたる」と判断。「男性のひげと長髪は整えられており、内規に違反しない」とし、訴えの一部を認めた。大阪高裁も同年の判決で1審を支持した。【堀江拓哉】

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