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関電、経営環境厳しく

高浜原発3、4号機の運転停止仮処分決定を受けて行われた記者会見で話す関西電力の木島和夫・原子燃料サイクル部長(右)=大阪市北区の関西電力本店で2016年3月9日午後6時2分、小関勉撮影

 大津地裁が9日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止め決定を出したことは、関電の経営への大きな打撃になる。4月に始まる電力小売り全面自由化に向け、関電は原発再稼働を電気料金値下げにつなげ、競争力を高めるシナリオを描いていたが、白紙に戻った。関電の経営環境は再び、厳しさに包まれている。【古屋敷尚子】

    電力自由化の戦略、白紙に

     強みである原発を順次、再稼働させ、「安い電気」を武器に電力自由化時代を勝ち残る−−。それが関電の経営シナリオだった。

     順調に進み始めたはずだった。原子力規制委員会の厳しい審査を通過し、高浜3号機は今年1月に再稼働。トラブルで再稼働が先延ばしになった高浜4号機も「再稼働時期は予定より1カ月程度遅れる」(幹部)と、収益に貢献する時期が見え始めてきた。5月には、懸案だった「高い」家庭向け電気料金の値下げに踏み切り、消費者に経営安定化と値下げをアピールするもくろみだった。

     だが、状況は一変した。再稼働したばかりの高浜3号機は停止に追い込まれ、稼働原発ゼロに戻る。9日夕、大阪市北区の関電本社で記者会見した木島和夫原子燃料サイクル部長は「(影響は)大変厳しいものだと受け止めている」と沈痛な表情で語った。

     東日本大震災後、原発が停止し、原発依存度が全国で最も高い関電は最大の打撃を受けた。原発を代替する火力燃料費が膨らんだことで2015年3月期まで4年連続の連結最終(当期)赤字に陥った。13年と15年の家庭向け電気料金値上げと原油安の効果で、16年3月期は1500億円の最終黒字と5年ぶりの黒字見通しにこぎつけたが、関電の試算では、高浜3、4号機が動かなければ1日計3億円の損失が出る。16年3月期の見通しは変えないが、17年3月期の業績には「ある程度の影響はある」(谷原武・企画部長)とした。

     関電の顧客離れが進む可能性もある。電力広域的運営推進機関によると、自由化で関電以外の家庭向け新料金プランに申し込んだ件数(2月26日時点)は、関電管内で7万3400件。関電管内で電力小売りに参入する企業の幹部は「関電の値下げがはっきり分かるまで乗り換えの判断を先送りしてきた家庭も多いはず。当面値下げできないとなると、顧客の流動化が激しくなる可能性がある」と話す。

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