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大震災から5年 慰霊の日 教訓を防災につなごう

 命の重さをかみしめ、各地で犠牲者への追悼が続いた。

     東日本大震災から5年がたった。政府主催の追悼式には、天皇、皇后両陛下や遺族代表、安倍晋三首相ら約1090人が参列した。

     津波にのみこまれた両親の死を乗りこえ、防災リーダーを目指して防災の研究をしている木村正清さんが宮城県の遺族代表であいさつした。「お父さん、お母さんの死を決して無駄にすることなく、微力ながら地域防災に貢献できるよう全力を尽くしますので、天から見守っていてください」と、呼びかけた。

     3・11は、震災の教訓を引き継ぎ、次なる災害に備える思いを新たにする日でもある。命を守ることが、犠牲者への弔いにもなる。

     防災には公助、共助、自助の三つの局面がある。行政など公的機関の役割だけでなく、地域の助け合いや個人の自立的な行動が求められる。

     東日本大震災では、巨大津波によって多くの役場が被災した。公助が期待できない場面で、避難活動などにおいて地域の役割、つまり共助の大切さが浮き彫りになった。

     共助の取り組みをどう進めるか。東京都は震災後、意欲的な防災活動をする自治会などを認定、紹介する「防災隣組」の取り組みを始めた。

     たとえば、昨年認定された板橋区の自治会は「目指せ、世話焼き日本一」のスローガンの下、自治会メンバーが2、3人でグループを作り、地域内の高齢者を定期的に訪問している。交流会も開き、生活上の不安や防災対策を話し合っている。

     阪神大震災でも、祭りなどを通じてつながりが深かった地域ほど、生存者が大勢救助されたという。老若男女が集えるような行事や取り組みを地域で工夫したい。

     防災教育と防災訓練も重要だ。三陸には、津波がきた場合、各自が高台へとまず逃げる「津波てんでんこ」の教えが伝わる。教えに基づき、繰り返し避難訓練を実施し、当日は子供たちが励まし合って避難して被害を最小限に抑えた地域があった。

     南海トラフの巨大地震では、津波が日本の広域を襲うとみられる。政府は「歩いて5分程度で安全な場所に避難できるまちづくり」を提言し、避難路の整備が進む。こうした施設を利用した訓練も大切だ。

     伊豆大島や広島の土砂災害、茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊など近年、記録的大雨が災害を引き起こしている。地球温暖化の影響が大きい。どこに住んでいても災害に直面する可能性がある。家族や個人で事前にできる備えは何か。減災に向け、自助の努力も忘れてはならない。

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