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ITの高速感で飲食業界の常識を変える

店内を埋め尽くすうまい棒。取り外して食べられる
アイドル「ももいろクローバーZ」のファン限定の営業時間を設けるなど、顧客満足の挑戦を続ける

東京・歌舞伎町に2号店進出計画

 北九州・小倉の繁華街に昨年5月、突如オープンした「スナックうまい棒」。やおきん(東京都)のスナック菓子「うまい棒」が壁一面に飾られた店のコンセプトの奇抜さだけでなく、「月額540円でカレー食べ放題」や「10万円で一生ドリンク飲み放題」など斬新な企画を次々打ち出し、昼夜問わず繁華街でちょっとした話題になっている。アイデアの源泉は? ビジネスとして成り立つの? 湧き上がるさまざまな疑問を解決すべく、バーのドアを開けた。【浅野翔太郎】

     北九州モノレール旦過駅から裏通りを少し歩いたビル2階、普通の夜の店の扉を開けると「うまい棒」だらけの店内。その数8000〜9000本という。「在庫も含め、店内に常時2万本はそろえてあります」と経営者の大山圭太さん(32)は話す。

     大山さんはホームページ制作などを手がけるIT関連会社を経営している。知人の店が倉庫として使っていたテナントを収益物件に変えるべく、「できることが限られているスペースで、他店と同じ業態では後発組は厳しい。世界に一つだけの店を」と、着想から1カ月、2015年5月にオープンした。

     うまい棒は1979年に発売され、現在は19種類。「幅広い世代に知られていることも店のコンセプトに掲げた理由の一つ」との狙いは当たり、20〜50歳代と客層は幅広い。500円で店内のうまい棒が食べ放題となり、60本を食べた猛者もいるという。

     店の知名度アップに考え出したのがうまい棒の出前サービス。無料通信アプリ「LINE(ライン)」で注文を受け、他の飲食店に30本までうまい棒を届け、夜の社交界で話題となった。

     この戦略にはもう一つの狙いがあった。店がある北九州の繁華街は、15年6月の県迷惑行為防止条例改正でスナックも路上での客引きができなくなった。他店が新規客獲得に手をこまねく中、口コミやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で店の存在が広まった。

     次に始めたのが「月540円でカレーライス食べ放題」のフリーランチと、「10万円で一生ドリンク飲み放題」サービス。トッピングや他の飲食物が利益となる仕組みで、サラリーマンや主婦ら利用者は増加中だ。

     グーグル社の中小企業支援プログラムなどに参加し、顧客満足と社会貢献を両立しながら利益追求するIT業界の経営観を体得。また「飲食費がゼロになれば、その人は家庭や趣味にもっと自由にお金を使える」と常々考えていた。フリーランチは、米ニュージャージー州のパブが行うドリンク代を払えば食事が無料で提供されるホームレス支援の社会貢献活動を参考にした。「ITの世界の人間は味で勝負はできない。システムで勝負し、飲食業界に衝撃を与えたい」。東京・歌舞伎町に2号店の進出を計画し、クラウドファンディングによる資金調達に挑んでいる。「奇策を思いついたら、一アイデアを練って翌日行動に移す」。IT業界で培ったスピード感を生かし、飲食業界の常識を変える挑戦は始まったばかりだ。

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