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「おいしく育って」プロジェクト

アラメを倒して食べつくしてしまうキタムラサキウニ=吾妻行雄・東北大教授提供
アラメを倒して食べつくしてしまうキタムラサキウニ=吾妻行雄・東北大教授提供

東北大などの研究チームが挑む

 東日本大震災後、大量発生して品質が落ちた天然のウニに餌を与え、おいしくなるよう育てようというプロジェクトに、東北大などの研究チームが挑んでいる。津波被害を受けた藻場の再生も目指す一石二鳥の復興の取り組みで、2年以内の実用化を目指す。

     吾妻行雄・東北大教授(水圏植物生態学)らは震災後、宮城県南三陸町沖の志津川湾で、コンブの仲間「アラメ」などの海藻の再生を調査してきた。アラメは津波で大打撃を受けたが、2013年ごろにはほぼ回復。ところが14年春の調査では、水深5.9メートルより深い場所でアラメが消滅していた。藻場が減少する「磯焼け」が進むと、魚なども減って漁業が影響を受ける。

     原因と考えられるのがウニだ。理由ははっきりしないが、ウニは震災後に宮城県北部から岩手県南部で大量発生し、志津川湾でも生態系のバランスが崩れた。生きたアラメにはウニの嫌がる物質が含まれ、本来なら好物にはならないが、餌が足りないため食べ尽くしてしまったとみられる。

     一方、ウニも品質が落ちた。他に餌がなくなって魚の死骸などを食べると、中身がスカスカになったり、味が悪くなったりするからだ。漁業者は商品価値のないウニを取らず、数がさらに増えて磯焼けを慢性化させる悪循環に陥っている。

     そこでチームが思いついたのが「短期養殖」。いったん取ったウニを売り物にはならないコンブと一緒に籠に入れ、海に3カ月間入れておく実験に地元の漁業者と取り組んだところ、大きさ、色、硬さとも向上し、甘みにつながる物質も増えたという。

     吾妻教授は「味を向上させるメカニズムを明らかにして、味で勝負できるウニ養殖法の開発を目指す。ウニと海藻のバランスが取れた環境にし、豊かな藻場を持続させたい」と話す。【大場あい】

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