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直売所で栄村を元気に

栄村の農産物直売所「かたくり」で野菜を並べる店長の小林高行さん=栄村で2016年3月9日午前11時46分、巽賢司撮影

住民と連携 中越被災地に学ぶ

 2011年3月の長野県北部地震から、12日で5年を迎えた。被害が集中した同県栄村に昨年7月、復興に弾みを付けようと、地元農産物直売所「かたくり」が開業した。新潟県中越地震(04年10月)の被災地、同県長岡市の直売所に学び、売り上げを伸ばしている。運営に関わる村民たちは「復興に向けた強い意志を感じ、元気をもらった」と村の再興に意欲をみせる。

 長野・新潟県境の山あいにある栄村は、4月下旬になると街道筋をカタクリの花が彩る。直売所は村が設置し、村民約100人でつくる組合が運営する。

 店長の小林高行さん(48)は、地震で自宅が大規模半壊し、数週間の避難生活を送った。所有するキノコ栽培施設も損壊。「再建したかったが、億単位の費用がかかるため諦めた。離村を考えたことも」と唇をかむ。被災後に村の臨時職員となり、直売所の開業に合わせて店長に就任した。

 「小売業の経験がない自分にできるのか」と不安だった。長岡市・川口地区にある農産物販売所「あぐりの里」を手本に模索を続けた。あぐりの里は04年7月に開業して間もなく地震に見舞われ、同地区では犠牲者6人、住宅被害1393棟を出した。だが、当初約5000万円だった売り上げを約2億円にまで伸ばし、地域の復興の一端を担った。

 小林さんは昨年4月に約1週間、あぐりの里で研修を受けた。連日、農家との打ち合わせに同席するなど、販売所運営会社常務、小宮山芳治さん(45)の手腕に学んだ。あぐりの里は鮮度を重視し、当日入荷したものだけを販売。売れ残った野菜は出荷側が引き取る。出荷側には負担だが、小宮山さんは「新鮮さが売り上げにつながる」と、地元農家に理解を求めていた。

 小林さんは「一定の出荷量がないとできないことで、まねはできないが、出荷者が利益を得るために厳しさも必要だと知った」と話す。小宮山さんは「住民の元気が復興につながり、住民あってこその直売所。復興からさらにその先へ、栄村を元気にしてもらいたい」とエールを送る。

 小林さんは、長岡で学んだ「住民との連携」をかたくりでも重視した。その結果、初年度の売り上げ目標2200万円を、開業から半年で達成した。2人は定期的に互いの直売所を行き来している。小林さんは「復興への強い意志、それが大事だと知った。直売所が村の元気に一役買える存在に育てたい」と意気込む。【巽賢司】

長野県北部地震

 東日本大震災翌日の2011年3月12日午前3時59分、長野県北部を震源に起きたマグニチュード(M)6.7の内陸型地震。最大震度6強を観測した。長野・新潟両県で重軽傷者57人、住宅の全半壊499棟。長野県栄村では、避難後に死亡した3人が災害関連死と認定された。

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