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米漂着の漁具、岩手に帰る 「家宝に」

持ち主の大町幸平さん(左)に漁具を引き渡すジェス・ポールソンさん(右)、川俣真美さん夫婦=岩手県山田町役場で

 海の向こうから希望が届いた−−。東日本大震災の津波で流された、漁師の大町幸平さん(67)=岩手県山田町=の漁具が、約7000キロ離れた米オレゴン州の海岸に漂着。12日、漁具を発見した現地の女性の息子夫婦が町を訪れ、5年ぶりに大町さんに引き渡された。大町さんは「震災ではすべてをなくした。自宅を再建したら額に入れて飾り、家宝にします」と感激した。【鬼山親芳】

     マスを取る引き縄漁に使う「潜行板」と呼ばれるヘラ状の漁具(長さ約30センチ)。大町さんが震災の10年ほど前、キリの木で手作りしたもので、作業小屋に保管していた。津波で小屋ごと流されたという。

     発見したのは同州ポートランドのデボラ・ディーンさん(65)。今年1月24日に同州オーシャンサイド地区の海岸を散歩中に見つけた。漁具には「大沢」「大幸丸」の文字のほか、電話番号が記されていた。ディーンさんの息子で、在日米国大使館に勤務するジェス・ポールソンさん(40)と妻の川俣真美さん(40)が連絡を取り、文字や電話番号を手がかりに大町さんにたどり着いた。

     ポールソンさん夫婦は12日、町役場で漁具を大町さんに手渡した。大町さんは「見つかったと聞いた時は半信半疑だった。間違いなく私の物です」と、懐かしそうに手に取ってなでた。ポールソンさんも「震災前と未来をつなぐ希望になればうれしい」と日本語で話した。引き渡しには佐藤信逸町長も立ち会い「地球はつながっているんですね。お届けしてくれてありがとうございます」と感謝した。

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