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避難所運営、女性の視点取り入れて

ゲームを通じて避難所運営を学ぶ女性たち=山形市城西町で

 「高齢者や乳幼児がいる世帯は、体育館の入り口近くに避難スペースを設けましょうか」「子供がいる家庭は(校長室隣の)応接室に置いては」「女性の更衣室も作らないと」−−。2月22日、山形市総合福祉センターの交流ホールに、災害時の避難所運営を学ぶゲームに参加した女性たちの声が飛び交った。

     マグニチュード8の大地震が発生し、避難所となった3階建ての小学校に被災者が次々と集まってくるとの想定。年齢や性別、病状などの情報が書かれたカードを空きスペースに置いて割り当てていった。

     参加した生活協同組合共立社副理事長の広部公子さん(67)=山形市=の班は、「両親が死亡した3歳の男の子が近所の人に連れられて来た」というカード対応に最も悩んだ。意見はいろいろと出たが、「両親と一緒に避難してきた同い年の子供を見て悲しむのではないか」を採用。広部さんは「同じ地区の看護師のカードと組ませて面倒を見てもらうようにした。運営の大変さが分かった」と話す。

     この研修は、万が一に備え、地域の避難所を運営する女性リーダーを育てようと、同市自主防災組織連絡協議会などが山形県内で初めて企画した。同協議会の遠藤邦也会長(70)=山形市=は「地域防災には女性の視点を入れていく必要がある」と話す。というのも、遠藤さんが震災後に視察した宮城県の地区の防災訓練では、運営側の女性らがきびきびと切り回す姿を目の当たりにし、自分たちと質の違いを痛感したからだ。

     東日本大震災で山形市では震度4の揺れが襲い、約30時間にわたって停電するなどし、公民館や学校の体育館に設けられた避難所には1人暮らしの高齢者らが続々と集まった。避難所の責任者だった遠藤さんは「市との連絡が取れず、何をしたらよいのか分からなかった」と、当時を振り返る。

     震災後、ハード・ソフト両面で地域の防災力強化が求められた。暖房やテレビなどの動力源として自家発電機が山形市内の91カ所の避難所に1台ずつ新たに配備され、毛布や簡易トイレなどが収容できる防災倉庫も整備された。管理する自主防災組織も強化され、今年1月時点で414と震災直後の1.4倍に増えた。さらに住民の防災意識を高めようと、山形県などは「防災士」の資格取得を勧めている。

     四つの自治会約25人で構成する南松原自主防災会の会長も務める遠藤さんは、昨年12月にメンバーに先駆けて防災士を取得した。住民の防災意識の低さを課題に挙げるが、「防災士が旗振り役となり、地域全体の防災意識の向上につながる」と信じている。【藤井達也、松尾知典】

     ■ことば

    防災士

     NPO法人、日本防災士機構(東京都)が認証する資格。阪神大震災の経験から災害時の地域リーダーを育てようと、2003年に創設。今年2月末の全国の取得者数は10万7052人で、山形県は860人と全国40番目。5年前と比べた伸び率をみると、山形は2.23倍で全国平均(2.47倍)を下回り、東北では秋田(2.15倍)に次いで小さい。山形県は講習費用の助成制度を15年度から始め、17年度までに取得者1000人を目指している。

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