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障害理由に不妊手術、政府に補償勧告

 国連の女性差別撤廃委員会が今月公表した対日定期審査の「最終見解」は、優生保護政策で障害を理由に不妊手術を受けさせられた人への補償を日本政府に勧告した。国内の女性障害者や支援者は最終見解を歓迎し、政府に履行を求めている。

     最終見解は「不良な子孫の出生防止」として障害者らの不妊手術を認めていた旧優生保護法下、約1万6500人が本人の意思によらず手術を受けさせられたとされるのに、政府が補償や謝罪をしていないことを問題視した。「実態を調べ加害者を訴追し、全ての被害者に法的な救済や補償を提供する」よう勧告した。

     「DPI女性障害者ネットワーク」(東京都)のメンバーはスイスで、委員会の2月16日の審査を傍聴した。神戸市の視覚障害者、藤原久美子さん(52)は自身が医師に妊娠中絶を勧められた経験を踏まえ、今も月経や妊娠、出産を周囲から疎まれる女性障害者がいることなどを委員らに説明した。

     この問題で国連組織が補償を具体的に勧告するのは1998年の人権委員会以来。優生保護法は96年に母体保護法に改正され障害者に関する規定は削除されたが、その後も子宮摘出などの例はあるという。藤原さんは最終見解について「98年勧告より踏み込んだ。政府は調査や謝罪、補償をしてほしい。そうでない限り障害者が安心して出産できる社会にならない」と訴える。

     優生保護政策に詳しい市野川容孝(やすたか)・東京大教授(社会学)は「優生手術を当然視して携わった福祉関係者らが存命していることもあり、日本社会は問題と距離を取れずにいる。実態を調べ、国への働きかけを続けたい」と語った。【林田七恵】

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