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牛舎再建「栄村のブランド牛広めたい」

地震でダメージを受けた村の畜産の復興を目指す樋口大樹さん=長野県栄村の「美雪ファーム樋口」で2016年3月11日午後3時21分、安元久美子撮影

 2011年3月、最大震度6強を観測した長野県北部地震は12日、発生から5年を迎えた。被害が集中した同県栄村の樋口大樹(ひろき)さん(28)は地震直後、家業の肉牛肥育を継いで、父と共に全半壊した牛舎を再建。出荷頭数は地震前の水準まで回復した。ただ、村内の他の畜産農家は休廃業したまま。「村のブランド牛を広め、村の畜産業を復興させたい」と意気込む。

     地震前、村では肉牛3、酪農1、養豚1の畜産農家があり、農業生産額の約2割を占めていた。畜舎の再建がかなわないなどで休廃業が相次ぎ、再開したのは樋口さん宅だけにとどまった。

     祖父が畜産を始め、樋口さんは3代目。11年春から家業を継ごうと、県内の牧場で研修を受けていたところ地震に見舞われた。牛舎は1棟が全壊、3棟が壊れた。11年秋に1棟を再建したが、収入が半減する時期が続いた。「再建の借金など、不安は大きかったが、おやじを信じて頑張った」と振り返る。

     地震の2年後、父和久さん(58)から初めて子牛の買い付けを任されたが、この時買った6頭は上質な肉牛には育たなかった。「今にして思えば、だめなのを選んだなと思う」と言う。でも、父は何も言わなかった。肉牛は、餌のやり方などで脂の質が変わる。こうしたノウハウについても父は、あまり口出ししなかった。「何百頭にも接して修正を繰り返すうち、理想の肉牛を育てる面白さに気付いた」。昨年末にあった県内の肉の品評会では、樋口さんが育てた肉牛がいずれも最優秀を獲得した。

     村の畜産の復興には、他の農家の協力が不可欠だ。村が2月に建設した共同畜舎を使い、休業中の農家にも手伝ってもらい、肥育頭数を現在の約320頭から約400頭へ拡大することを考えている。夢は、父らが15年前に開発したブランド牛「北信州美雪和牛」の消費拡大。「さっぱりとした脂が自慢。東京にも出荷しているので、ぜひ食べて村を応援してほしい」と語る。【安元久美子】

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