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有事輸送、民間の2隻確保 船員予備自衛官化

 予備自衛官となった民間船員に有事の際、自衛隊員や武器を危険地域へ運ばせる防衛省の計画に合わせて、有事で使われる民間フェリーを所有する特別目的会社(SPC)が民間の出資で設立された。同省が15日に公表した。この会社が運航・管理する民間フェリー2隻も正式に決まった。船員組合が「事実上の徴用だ」と反発する中、民間の船舶や船員の有事活用が実現へ一歩踏み出した。

     防衛省などによると、新会社は「高速マリン・トランスポート株式会社」(東京都千代田区)で、先月19日に設立された。所有する船は、津軽海峡フェリー(北海道函館市)の「ナッチャンWorld」と、新日本海フェリー(大阪市)の「はくおう」。

     平時はマ社が2隻を運航し、民間収益事業のほか自衛隊の訓練や災害派遣に使用する。有事には防衛省がマ社から提供を受け、自衛隊員や武器の輸送に使う。ナッチャン号は今年10月から、はくおう号は来年4月から有事対応を可能にする予定で、それまでに操船者を確保する必要がある。

     防衛省は、平時に船を運航する民間船員に予備自衛官になるよう志願してもらい、有事の際に操船させることを検討している。海上自衛隊OBの予備自衛官による操船も想定するが、大型民間船を運航できる資格を持つ予備自衛官は現時点で8人しかいない。同省は予備自衛官補制度を海上自衛隊に新設し、来年度予算案に民間フェリー1隻を操舵(そうだ)するのに必要な21人分の予算を盛り込んでいる。

     防衛省は九州・沖縄の防衛力を充実させる南西シフトを進めるが、隊員や武器を運ぶ大型輸送艦は3隻のみ。新たな輸送艦の建造は財政負担が大きく、民間の船や人材の活用で輸送力のアップを目指す。

     防衛省は「マ社には予備自衛官を志願するような船員を採用するよう期待している。ただ、(志願を)強制することはないよう求めている」と説明している。【川上晃弘】

     【ことば】予備自衛官

     普段は別の職業に従事し、有事の際に招集される志願制の自衛官。身分は非常勤特別職国家公務員で、かつてはなるために自衛隊での勤務経験が必要だった。政府は2002年、医師や自動車整備士のような各種の技能を持つ民間人を試験で予備自衛官補として採用し、10日間の教育訓練などを経て予備自衛官にできる制度を陸上自衛隊で導入した。今後はこれを海上自衛隊にも拡大する。

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