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「自治政府」宣言 シリア北部、政権・トルコ反発

シリアの主な勢力とその支配地域

 【エルサレム大治朋子】シリア北部の少数民族クルド系勢力が17日、実効支配する北部3地区を統合した「自治政府」の確立を宣言した。AP通信が伝えた。クルド系勢力はシリアの連邦制化を求めているが、ジュネーブで開催中の和平協議には、敵対するトルコの反対で参加していない。「自治政府」を既成事実化し、影響力を強める狙いがありそうだ。

     シリア内戦の長期化に伴い、米欧は過激派組織「イスラム国」(IS)と戦う有効な地上部隊としてクルド人組織「民主統一党」(PYD)の軍事部門「人民防衛隊」(YPG)を支援する。

     YPGはイラクに近い東部ジャジーラ▽トルコ国境南方のコバニ(アラブ名アインアルアラブ)▽シリア第2の都市アレッポ北西のアフリーン−−などで支配地を拡大した。一帯の実効支配は一部を除き2013年までにほぼ確立したが、今回はその自治機能を統合することで、北部の掌握を強固にしたい考えもあるとみられる。

     シリア・アサド政権やトルコは「正当性がない」と反発。トルコは、PYDを国内のクルド系反政府武装組織クルド労働者党(PKK)と連携する「テロ組織」とし、両者が共闘する事態を警戒する。米国務省は、連邦制は和平協議での合意を経る必要があるとの考えを示している。

     一方、ロシアはラブロフ外相が最近、連邦制は「一つの選択肢」と語るなど前向きな考えを示す。昨年11月に起きたトルコ空軍による露機撃墜事件を機に、両国の関係は悪化している。クルド人組織PYDは2月、ロシアの承認によりモスクワに「代表部」を開設しており、今回の「宣言」をめぐる動きは、ロシアの了解を事前に得ていたとの見方もある。

     テルアビブ大中東アフリカセンターのハイエイタン・コーヘンヤナロジャク氏は「クルド系勢力は(自治政府確立を)既成事実化することで自らを和平協議に欠かせない存在とし、交渉に影響力を行使しようとしているのではないか」と指摘している。

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