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カダフィ派、復権足固め 対ISで政府軍と共闘

エジプトの首都カイロにある事務所で、毎日新聞のインタビューに応じるリビアの元高官アフマド・カダフィダム氏=秋山信一撮影

 【カイロ秋山信一】2011年のリビア内戦で殺害された指導者カダフィ大佐のいとこで側近だったアフマド・カダフィダム氏(63)が、滞在先のカイロで毎日新聞のインタビューに応じた。同氏は、内戦後に公職追放されていた旧カダフィ政権派の軍人らが、過激派組織「イスラム国」(IS)などと戦うため「政府軍と協力している」と証言。混乱が長引く中、旧政権派が復権をうかがう構図が浮き彫りになった。

     リビアでは13年6月、旧カダフィ政権の要職経験者らを10年間公職から追放する法律が施行された。カダフィダム氏は「旧政権支持者だとして、軍人、警察官、裁判官、外交官ら5000人以上が排除された」と主張した。

     だが、反カダフィ派は内紛続きで、新憲法制定など民主化プロセスは停滞。14年夏には東西に二つの政府が分立する事態に発展した。カダフィダム氏によると、旧政権派は、国際社会から正統性を認知されている東部拠点のトブルク政府傘下の政府軍に合流し、イスラム過激派の掃討作戦で協力関係を築いているという。

     また、国連が主導する国民和解と統一政府樹立の協議に関して「話し合いによる解決は重要だが、全てのリビア人を包括する枠組みではない。特定の部族や党派を排除すべきではない」として、政治プロセスに旧政権派の参加を認めるべきだとの考えを示した。水面下では周辺国や国内の政治勢力とも接触しているという。

     一方、カダフィ政権崩壊は「北大西洋条約機構(NATO)の空爆が原因で、リビア国民による革命で打倒されたわけではない。NATOが介入しなければ対話で解決できた」と強弁した。

     ISがカダフィ大佐の出身地で支持基盤が強かったシルトを拠点化したことについても「NATOがシルトを集中的に空爆し、我々の部族を排除した。そこにイスラム過激派が入ってきた」と主張。シルトでは旧政権派とISが一定の協力関係にあるとの見方もあるが、「外部からの支援がないため、(地元部族は)戦いようがないだけだ」と説明した。

     カダフィダム氏はカダフィ政権時代から特使としてカイロに拠点を置き、巨額の資産管理や海外工作を担ったとされ、カイロの事務所には今もカダフィ大佐の肖像が掲げられている。匿名を条件に電話取材に応じたリビア人記者は「トブルク政府や軍は旧政権派の復権は望んでいないが、カダフィダム氏の資金を必要としているため、協力関係が成立している」と指摘した。

     【ことば】リビア情勢

     2011年2月に民主化要求運動「アラブの春」に触発された反政権デモをカダフィ政権が武力弾圧し、内戦に発展した。国連安保理決議に基づき、北大西洋条約機構(NATO)がカダフィ政権に対する空爆を主導。8月に政権は崩壊した。反カダフィ派の多くが内戦後も武装解除に応じずに政治介入を繰り返し、民主化は停滞。混乱に乗じて過激派組織「イスラム国」(IS)が拠点化を進めており、米欧では再び軍事介入を求める声が出ている。

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