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船舶に温室ガス新規制 燃料に課金検討

 【ロンドン坂井隆之】世界の航海規則を決める国連の専門機関、国際海事機関(IMO、本部ロンドン)の林基沢(イム・キテク)事務局長が毎日新聞のインタビューに応じ、船舶が排出する温室効果ガスを削減するための新たな国際ルールを策定する方針を明らかにした。全世界の一定の大きさ以上の船舶に燃料消費量などの航海データを報告させる「燃費報告制度」の年内の合意を目指すとともに、排出量に応じた課金や排出量取引などの市場メカニズムの導入も検討する。

     国際海運から排出される温室効果ガスは大半が二酸化炭素(CO2)で約8億トン(2012年)。ドイツ一国のCO2排出量に相当し、世界全体の2.1%を占める。IMOは13年、新造船に排出削減を義務づける規制を導入したものの、既存船への規制は途上国の反対などで先送りされてきた。今後、新興国の海運需要の増大で排出量は急激な伸びが予想され、IMOは、現状のままでは50年に排出量が最大20億トンまで膨らむ恐れがあると警告している。

     燃費報告制度は、先進国と途上国の対立の中で、「妥協的措置」(林事務局長)として浮上したもので、各船舶の燃費を「見える化」して削減努力を促す。専門会合で制度設計に入っており、林事務局長は「4月の海洋環境保護委員会で審議に入り、年内に決定して来年から情報収集を始めたい」と述べた。さらに「収集したデータの分析を基に、将来の技術的な対応を検討する」とも述べ、排出実績に基づいた具体的な削減目標の検討に入る考えを示した。

     CO2排出削減のため、船舶の燃料油に課金して途上国の排出削減支援に充てたり、排出量の上限を船舶ごとに設定した上で下回った分は売買できるようにして省エネ化を促したりするなど、市場メカニズムを活用する9案が検討されているという。林事務局長は「燃費報告制度の策定を終えた後に議論を開始し、どの案にするかを決定する」と述べた。

     複数の国の利害がからむ国際海運や国際航空分野での排出削減ルールの策定は調整が難しく、昨年12月に採択された20年以降の地球温暖化対策の世界的枠組み「パリ協定」でも両分野に関する規定は見送られた経緯がある。温暖化による海面上昇に悩む太平洋諸島や、欧州連合(EU)は関連機関などに排出規制を求めている。航空分野では、国際民間航空機関(ICAO)が10年に「20年以降は排出量を増加させず、50年まで毎年燃費を2%改善する」との目標を策定している。

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