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「授業ダメなど不当」岡山短期大准教授が提訴

厚生労働省に不当処分への救済を要請した視覚障害のある山口雪子・岡山短大准教授=厚生労働省で2016年3月23日午後10時25分、黒田阿紗子撮影

 岡山短期大(岡山県倉敷市)の山口雪子准教授(51)=幼児環境教育=が23日、視覚障害を理由に授業や卒業研究の担当から外され、研究室からの退去を命じられたのは不当として、短大を運営する学校法人を相手取り、地位確認と事務職への職務変更の撤回などを求める訴えを岡山地裁倉敷支部に起こした。

     訴状によると、短期大側は、山口准教授がゼミの授業中に飲食していた学生に気づかなかったことや、無断で教室を出る学生を見つけられなかったことなどを理由に2月5日、来年度から授業と卒業研究の担当を外れ、学科事務に移るよう命じた。同22日には、個室だった研究室の明け渡しを求めた。

     山口准教授は、網膜の異常から次第に視野が狭くなる難病「網膜色素変性症」を患う。1999年に同大に採用され、文字は読めたため授業や研究を続けてきた。しかし約10年前から視力が低下し、現在は明暗が分かる程度で手書きの文字の判読は困難になった。

     短大側は2014年、視覚補助を行う職員の確保ができないことを理由に退職を勧めた。山口准教授は私費で補佐員1人を雇う許可を得て授業をし「指導の質に支障はなかった」と主張。「差別が横行する教育現場は学生に示しが付かない。勇気を出して声を上げる決意をした」と話す。

     弁護団の水谷賢弁護士は、共生社会の実現を目指す障害者差別解消法が4月に施行されることに触れ、「施行後、初の司法判断を仰ぐ裁判となる。法に逆行し、十分な配慮があれば改善可能なのに自主退職に追い込もうとする差別は許されない」と訴えている。

     法人の理事長で、岡山短大の原田博史学長は取材に、「大学としてはこれまで思案を重ね、(山口准教授を)支えてきた。視覚障害を理由に差別はしておらず、提訴は驚いている。我々は教育の質を担保すると約束している学生の立場に立っている」と説明した。【瀬谷健介】

              ◇

     岡山短大の山口准教授は23日、全国視覚障害教師の会の重田雅敏代表や日本盲人会連合会長の竹下義樹弁護士らと、厚生労働省で障害者雇用の現状を訴える記者会見を開いた。

     山口准教授は「目が見えないのは教員の能力が欠けるという大学の態度は差別そのもの。教育現場で共存共栄とはかけ離れた事態が進んでいる」と訴えた。4月1日に障害を持つ人への差別的な取り扱いなどを禁じた「障害者差別解消法」が施行される。竹下会長は「今回の件は差別解消の法施行を打ち壊すようなもので許せない。これを解決できなければ法制定は意味のないことになる」と短大側の行為を批判した。メンバーは、塩崎恭久厚労相あてに不当処分の救済を求める要請書を提出した。

     改正障害者雇用促進法も4月1日に施行され、雇用分野での障害者に対する差別の禁止と、障害者が働くうえで支障になることを改善する措置(合理的配慮の提供)が雇用者に義務づけられる。【東海林智】

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