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「冷戦の遺物葬り去る」…キューバ友好深化訴え

 【ハバナ和田浩明、ワシントン清水憲司】キューバを訪問中のオバマ米大統領は22日、首都ハバナの国立劇場でキューバ国民向けの演説を行い、「冷戦の遺物を葬り去り、手を差し伸べるためにやって来た」と60年近くにわたる敵対関係の解消を訴えた。

     オバマ氏は「2国間に横たわる違いは大きい」と人権や政治制度の違いを取り上げながらも、「愛国心、家族愛、プライド、教育への熱意など共通する価値観も少なくない」と指摘。「孫の代は対立を例外と捉えるだろう」と友好関係の深化を呼びかけた。

     また、関係改善の必要性について「冷戦中の孤立政策は21世紀には意味がない」と述べ、過去の米政権の対キューバ強硬政策の失敗を認めた。その上で「変化を恐れてはいけない。私はキューバの人々を信じる」と言明した。

     オバマ氏は「民主主義があったからこそ、自分はここに米国大統領として立てている」と語り、かつての人種差別などを民主主義が克服したと強調。「人々は自由に発言し、政府を批判し、平和的に抗議すべきだ」として、言論が制限されているキューバの体制を暗に批判。「人々は自由で民主的な選挙で指導者を選ぶべきだ」と民主化を促した。

     さらに、「米議会は(キューバに対する)経済封鎖を解除すべきだ」と述べ、会場から拍手を浴びた。

     オバマ氏はこれに先立つ21日、ラウル・カストロ国家評議会議長と会談、関係正常化の一層の推進で一致した。オバマ氏は、半世紀以上の断交から国交回復に踏み出した両国に「新たな日」が来たと宣言、経済制裁の緩和や人的交流の拡大を続ける意向を表明した。人権問題で対立している政治分野よりも、経済分野を先行させる形で関係改善に弾みをつける見通しだ。

     オバマ氏は会談後、さっそくキューバ人企業家との懇談に参加。起業促進はキューバ経済の利益になることを強調して、市場参入を目指す米国企業との連携を促した。自由な経済活動が豊かさをもたらすと強調することで、内部からの改革を促した格好だ。

     オバマ政権が、経済先行の改革促進で期待するのがインターネットだ。キューバ政府は社会の不安定化を招きかねないとして、米情報技術(IT)企業の進出に難色を示すが、オバマ氏は20日放映の米ABCニュースで「グーグルがここキューバで、インターネット接続を構築すると発表する。変化が起ころうとしている」と宣言した。

     一方、人権問題を巡る両国の溝は依然として深い。オバマ氏は首脳会談後の会見で、「キューバの運命はキューバ国民が決める」と述べつつ、人権問題で「深刻な違い」が残ると改めて指摘。カストロ氏も関係正常化は「長く複雑な道」との見方を示し、米国による経済制裁の緩和は「不十分だ」とも指摘。真の関係正常化には、禁輸措置の解除とキューバ東部の米海軍グアンタナモ基地の用地返還などが必要だと強調した。

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