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虐待通報、所内で放置…一時保護検討せず

通所していた中学生の自殺について記者会見する鳥谷明・相模原市児童相談所長(左)=相模原市中央区中央2の相模原市役所で2016年3月22日午前9時40分ごろ、高橋和夫撮影

 両親から虐待を受けて相模原市児童相談所(児相)に保護を求めた中学2年男子生徒が自殺を図り、今年2月に死亡していた。2014年10月下旬には、生徒が通う中学の教師から「男子生徒が親から暴行された」と児相職員が連絡を受けたにもかかわらず、所長ら上司に報告していなかったことが分かった。

     同児相の鳥谷明所長は22日午後の記者会見で「情報を共有して一時保護の判断を検討すべきだった。きちんと検証しなければならない」と釈明した。

     同児相によると、13年11月、生徒の額や顔の傷に当時通っていた小学校の教師が気付き、同市の中央子ども家庭相談課に通報。同課は生徒に面談した。

     14年5月末には生徒がコンビニエンスストアに「親に暴力を振るわれた」と逃げ込み、警察に保護された。児相は両親から事情を聴いた上で虐待と認定。毎月1〜3回程度、生徒と両親を一緒に児相に通わせた。

     生徒は児相に「暴力を振るわれるので家にいたくない」「児童養護施設で暮らしたい」と保護を訴えたが、その後、母親が体調を崩したとして両親から「もう児相に行けない」と連絡があり、3人とも児相に来なくなったという。10月上旬、鳥谷所長は両親を説得して生徒の一時保護について同意を求めたが拒否されたという。

     10月下旬には生徒から「父親とトラブルになり、投げ飛ばされて脇腹がベッドに当たり痛かった」と聞いた中学教師が児相職員に電話で連絡。しかし、職員は鳥谷所長に報告せず、児相は一時保護などの検討をしなかった。また家庭訪問したり、学校に出向いたりして生徒から事情を聴くこともしなかったという。

     生徒はこの半月後の11月中旬、近くの親戚宅で首つり自殺を図り、心身に重度の障害を負った。今年1月に容体が悪化して先月末に亡くなった。児相は虐待を受けた子どもを職権で親から引き離し一時保護することができる。【高橋和夫】

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