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海くぐり、つながった…構想43年、夢実る

北海道新幹線が開業し沿線で大漁旗が振られる中、新函館北斗駅へと向かう東京発の一番列車「はやぶさ1号」=北海道木古内町で2016年3月26日午前10時41分、手塚耕一郎撮影
青函トンネルの本州側の入り口で、新函館北斗発の一番列車を見ようと集まった人たち=青森県今別町で2016年3月26日午前7時20分、佐々木順一撮影

 構想から43年。北海道新幹線の新青森−新函館北斗間(148.8キロ)が26日、開業した。朝日を浴びた一番列車には、多くの鉄道ファンや観光客らが乗り込み、沿線では大漁旗を掲げた住民が歓迎。夢や希望を乗せて、新幹線が北の大地を走り抜けた。

北海道

 新函館北斗駅(北海道北斗市)では、駅が開く26日午前5時前から一番列車の乗客や見送りに来た約300人が列を作った。駅前広場の温度計は氷点下2.3度。乗客らは白い息を吐きながら、期待に満ちた表情で入場を待ちわびた。

 岡山市の公務員、森寄幸さん(56)は、新函館北斗からの一番列車に乗り込み、新幹線を乗り継いで26日午後6時ごろには鹿児島中央(鹿児島市)に到着する日本縦断に挑む。「開業初日に日本縦断できるのはうれしい。新幹線のレール1本で日本がつながったことを実感したい」と興奮した様子で話した。

 新青森(青森市)からの始発列車「はやて91号」で夫と新函館北斗に到着した横浜市の主婦、小川かおるさん(40)は「北海道出身で、新幹線は幼いころからの夢。青函トンネルを通り抜けて感動した」と満面の笑み。東京都江戸川区の会社員、中村洋幸さん(47)は「乗ったのが新型車両のH5系でなかったのが残念だが、記念すべき列車に乗れた。開けた景色や残雪を見て北海道を感じた」と話した。

 一方、青函トンネル北海道側の出入り口、知内町湯ノ里地区では、26日午前6時半ごろ、住民やファンら約100人が集まり、「祝開業北海道新幹線 ようこそ知内町へ」と書かれた横断幕が掲げられた。朝日を浴びて始発の上下列車が通過すると、住民らは大漁旗を振って歓迎した。

 1988年の青函トンネル開通の際、同じ場所で一番列車に旗を振った同地区町内会長の八木年幸さん(67)は「知内を新幹線が通るという希望があったから、元気でいられた。この日を迎えられて感動です」と笑顔を見せた。ひときわ大きな大漁旗を振った同町の会社員、亀谷雄二さん(68)は「新幹線の走りは静かで、しかも美しい。東京にいる息子に会いに行きたい」と感動した様子だった。

 新函館北斗駅での記念式典終了後、JR北海道の島田修社長は「多くの人のバトンを受けつないで今日を迎えた。私たちは最後の大事なところを任せてもらった。これまでは夢と期待の新幹線だったが、これからは成果と効果につなげなくてはいけない」と表情を引き締めた。【三沢邦彦、野原寛史、遠藤修平】

青森

 本州最北の新幹線駅となる奥津軽いまべつ駅(青森県今別町)に、新函館北斗駅からの一番列車に乗って降り立った兵庫県西宮市の会社員、水野秀明さん(54)は青函トンネル工事で34人の尊い命が犠牲になったことを伝える車内アナウンスに感銘を受けたといい、「いろいろな人の思いや苦労があって開業を迎えた。新しい歴史の証人になれた喜びで胸がいっぱい」と語った。

 新青森駅(青森市)には「徹夜組」も。前日の25日夜の最終列車で新青森駅着後、同駅の一番列車発車まで夜明けを待った川崎市の梨木祐治さん(64)は話す。「これまでいろんな新幹線開業を見てきたが、本州と北海道がつながるのは感慨深い。でも、札幌までつながる(2030年度末)までは先が長いなあ」【森健太郎、宮城裕也】

東京

 首都圏から北海道・新函館北斗駅まで直通する一番列車「はやぶさ1号」は26日午前6時32分、ファンに見送られ、JR東京駅21番ホームを出発した。

 出発式では、JR東日本の冨田哲郎社長が「東北・北海道の新しい力になることを期待します」とあいさつ。友人と乗車する川崎市の飲食店経営、武藤長三郎さん(83)は「旭川生まれの自分にとって、4時間で津軽海峡の向こうまで行けるなんてすごい。昔は青函連絡船だけで同じくらいかかった」とうれしそう。

 JR東京駅では、午前11時5分、定刻より1分遅れで、新函館北斗発上り一番列車「はやぶさ10号」が到着した。新函館北斗から乗車した、さいたま市の団体職員、安田光三さん(65)は「半世紀もかかった夢の一番列車に乗れて感無量。今後の利用率を心配する声があるけれど、つながることで、乗りたい人も増えるはず」と期待を込めた。【本多健】

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