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新共通テスト、18年度試行

大学入試改革の新テスト案

文科省の専門家会議が最終報告

 大学入試の新制度の設計を進めていた文部科学省の専門家会議は25日、最終報告を取りまとめた。2020年度から導入する新共通テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は18年度にプレテストを実施する。ただ、当初検討していた1年間に複数回実施する案は課題も多く、「新テストの枠組みを固めることが先だ」として当面見送ることとした。

     新テストの目玉である記述式問題の実施時期や科目など具体的な内容に関しては、技術的な課題がある上、専門家会議の委員間で意見の相違が埋まらなかった。このため実証研究などをして、17年度初頭に「実施方針」としてまとめる。

     最終報告によると、学力評価テストは現在の大学入試センター試験に代わって導入する。思考力や表現力をみるため、マークシート式問題に加え、新たに記述式問題を採用する。記述式は当面国語と数学で実施。当初は記述させる文字数が40〜80字程度の短文式とし、24年度以降に数百字に増やす。得点は段階別表示にする。採点に1〜2カ月かかるため、記述式とマークシート式を別日程で実施する分離案も検討する。

     「2次試験」にあたる各大学の個別入試は、学力評価テストの結果に加え、面接や論文、高校の部活動の実績など多角的な視点から評価する。

     一方、高校生の基礎学力の定着度を把握するため「高校基礎学力テスト(仮称)」を19年度から新設する。当初は国語、数学、英語の3教科。出題範囲は中学レベルから上限は高校の共通必履修科目とし、難易度別に複数種類のテスト問題を作る。コンピューター上で解答する方式(CBT)を前提とし、各高校に整備されているパソコンを使う。受検する時期や難易度は学校の判断で選べるようにする。【三木陽介】

    具体像見えず、関係者ら困惑

     新テストの具体像が固まらなかったことに、大学や高校関係者らからさまざまな注文が出された。

     専門家会議委員の南風原朝和は(えばらともかず)・東京大副学長は、記述式の導入で思考力などを評価するとした当初の「理想」と、採点など技術的な制約から、記述させる文字数を40〜80字程度の短文式にするとした「現実」との乖離(かいり)が大きいと指摘。「東大の2次試験のような本格的な記述なら思考力などを測れるが、一定の条件に合致すれば正解とするような短い記述では難しい。とにかくスケジュール通りに進めるというのではなく、理想との乖離が埋まったら実施するという方針で慎重に検討すべきだ」と話した。

     同じく委員の宮本久也・東京都立西高校長は「記述式のテストを先行実施する案は高校にとっては影響が大きく、最終報告で『マークシート式問題と同日に実施する案も検討する』と書かれたのは良かった。改革の方向性には賛成するが、今後も現場の意見をよく聴いて結論を出してほしい」と訴えた。

     新テストの複数回実施だけではなく、英語の4技能(読む、書く、聞く、話す)を評価するために民間の試験を活用するのかも決まらなかった。駿台教育研究所の湧井宣行部長代理は「多くの課題が先送りされた印象だ。検討が続くが、受験生に分かりやすい情報提供を期待したい」と話している。【佐々木洋、高木香奈】

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