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違法な取り調べ認定、100万円支払い命令

男性が録音した内容を公開する代理人の竹中宏一弁護士(右)と曽根英雄弁護士=大阪市内で25日午後3時5分、三上健太郎撮影

大阪地裁判決 無罪が確定した元教員の男性が提訴

 知人男性を殴ったとして傷害罪で在宅起訴され、無罪が確定した元教員の男性(82)=堺市=が、大阪府警西堺署の男性署員から侮辱的な取り調べを受けたとして、府に200万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。森木田邦裕裁判長は「社会通念を逸脱した態様で供述や自白を強い、不当な人格攻撃の発言を繰り返した」などと違法な取り調べがあったことを認め、府に100万円の支払いを命じた。

     判決などによると、男性は2013年8月に堺市内で知人男性を殴った疑いがあるとして、9〜11月に西堺署刑事課の当時の巡査長と巡査部長から任意の取り調べを計5回受けた。一貫して容疑を否認し、9月11日にあった巡査長による2回目の取り調べを録音した。

     森木田裁判長は録音内容などから、取り調べを検討。「威圧的な口調、声量で男性を混乱させ、相当の恐怖感を与えた」と指摘した。根拠を示さず、男性に「さっさと認めろ。殴ったやろ」と発言したことについて、「単に自白を命じるもので、説得の域を超え、供述の任意性を疑わせる」と批判した。

     また「あんた、どうやって物事を教えてきたんや、人に」などと、教員だった男性の人生まで否定する発言があったと認定。森木田裁判長は「真実発見に何ら合理性がある取り調べとは認められない」と述べた。

     巡査部長については「任意捜査として相当な限度にとどまる」などとして、違法性を否定した。【三上健太郎】

     大阪府警の宮田雅博・刑事総務課長の話 判決内容を検討し、今後の捜査に生かすべき点については生かしたい。

     ジャーナリストの大谷昭宏さんの話 自白強要が冤罪(えんざい)を生んできたことを反省し、裁判所が厳しい立場でいることを改めて示した判決だ。厳しい言葉で取り調べて容疑を認めさせることは、もう許されないと警察は自覚すべきだ。人格否定の発言は問題外で、警察組織は人権感覚をしっかり教育しないといけない。

    原告男性の弁護士「人権を無視した捜査員に厳しい判断」

     記者会見した男性の代理人の竹中宏一弁護士は「人権を無視した捜査員に、厳しい判断が下された」と判決を評価した。一方で、録音をしていなかった1回目の取り調べでも、黙秘権を侵害するなどの違法行為があったのに、地裁は認めなかったと主張。男性は弁護士を通じ「取り調べでは証拠が残せるよう、録音を認めてほしい」とコメントした。

     捜査側による録音・録画は一部の事件に限られ、今回のような任意の捜査は対象外になっている。竹中弁護士は「密室での取り調べは証拠がないと違法性を認定できない。検証するためにも記録が残されることが不可欠だ」と対象の拡大を訴えた。【三上健太郎】

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