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遺骨を返還へ 北大と遺族らが和解

和解協議のため、札幌地裁に向かう原告ら=札幌市中央区で2016年3月25日午後2時45分ごろ、日下部元美撮影

 北海道大が1930〜50年代ごろ、研究目的で墓地からアイヌの遺骨を掘り出したのは供養の侵害に当たるなどとして、アイヌや浦幌アイヌ協会が北大を相手取り、遺骨返還などを求めた訴訟で、札幌地裁(本田晃裁判長)は25日、原告の居住地域から掘り出された身元不明遺骨11体をコタン(集落)再建を目指す「コタンの会」(清水裕二代表)に返還することを柱とする和解案を提示し、双方が受け入れた。

 アイヌの遺骨は全国12大学に1636体保管されているが、大半は北大が保管。国は2014年5月、遺骨返還のガイドラインを策定し、身元不明遺骨は北海道白老町に建設される複合施設「民族共生の象徴となる空間」内の慰霊施設に集約し、身元判明遺骨は遺族(祭祀=さいし=承継者)に返還すると定めている。

 1636体のうち、身元判明遺骨はわずか23体に過ぎないが、原告側は「アイヌはコタンで先祖供養していた。身元が分からなくてもコタンに返してほしい」と訴え、第1次分として計78体の遺骨返還を求めていた。

 この日の協議では、原告の居住する浦河町杵臼(きねうす)で掘り出されたと認定された身元不明遺骨11体と身元判明遺骨1体を返還。祭祀承継者が分からない身元判明遺骨4体は北大が開設するウェブサイトで返還先の特定に努め、見つからなかった場合には、浦河町などでコタン再建を目指しているコタンの会に返還することを決めた。

 おじの遺骨が返還されることになった同町出身で原告の一人の小川隆吉さん(80)=札幌市=は「返還はとてもうれしい。裁判長に『ありがとう』と言いたい」と話した。身元不明遺骨11体はコタンの会が引き取り、再埋葬や供養を行う予定。再埋葬の費用は北大側が負担する。

 原告側の市川守弘弁護士は「祭祀承継者の概念は和人の家制度の名残であり、コタンで先祖供養していたアイヌの実態を無視している」とした上で、「和解内容はコタンに返還するという発想に立っており、多くの身元不明遺骨の返還につながる一歩だ」と指摘した。

 この訴訟は第3次提訴まであり、この日は第1次分の和解が成立。係争中のため、北大側はコメントしなかった。【日下部元美、安達恒太郎】

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