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「全て黒塗り」 審査委員7人の個別採点

委員別の点数が全て黒塗りで開示された新国立競技場の審査結果一覧=2016年3月24日、喜屋武真之介撮影

新計画案審査、日本スポーツ振興センターに情報公開請求

 新国立競技場の新計画案の審査結果について毎日新聞が事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に情報公開請求したところ、審査した委員7人の個別採点は全て黒塗りにされた。JSCは「非公開を前提とした評価」として、7人の合計点しか公表していない。こうした姿勢に審査委員からも疑問の声が上がる。

 「私たち審査委員が最終的に見た文書と同じもの。数字は黒塗りではなかったが」。設計・施工の一括公募に応じた2グループの案を審査するJSCの技術提案等審査委員会の委員だった香山寿夫・東京大名誉教授は、開示された文書を見て、そう語った。開示された文書は委員名が伏せられて番号で記され、委員ごとの採点結果は全て黒塗りにされた。

 審査は昨年12月19日に行われた。技術提案書を基に7人の委員が2グループから聞き取りをして、「事業費の縮減」「工期短縮」「日本らしさに配慮」など9項目で6段階評価し、1人当たり140点満点で点数化した。

 香山氏によると、本採点に入る1時間前、委員会の総意を測ろうと仮採点が行われた。その際、委員名が伏せられ合計点のない仮採点結果を見た香山氏は「それまでの議論通りで、評価に大きな開きがある項目はなかったと記憶している。合計点の暗算はしていない」と証言する。

 本採点の結果、合計点は採用されたA案が610点、B案が602点。9項目のうち、A案が上回ったのは「業務の実施方針」「事業費の縮減」「工期短縮」「環境計画」の4項目で、他の5項目はB案が優位だった。最も明暗を分けたのは「工期短縮」でA案は177点、B案は150点と27点差。「工期短縮」は最も高い30点(委員1人当たり)が配点され、両案とも完成時期は同じ2019年11月末で提案していた。

 香山氏は「なぜ、工期短縮でこんなに差が開いたのかは分からない。疑念を持たれないためにも、採点の内訳を公表すべきだ」と語る。実際、委員会で公表を提案したが、実現しなかった。

 こうした進め方について香山氏は、今後の施設コンペへの影響を懸念する。審査の在り方に関して「建築の専門家が審査しているものについては、個々の意見は実名で公開されるべきだ。匿名に隠れて、正当な審査が行われない可能性もある」と指摘した。

 JSCは非開示の理由を「各委員が外部からの圧力や干渉等の影響を受け、今後の会議等で率直な意見の表明、交換等が困難になるおそれがあると認められる」としている。【山本浩資】

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