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固形化技術、実用化へ 国、水俣条約に対応

水俣条約に基づく水銀処分の流れ

 環境省は来年度、蛍光灯や電池などから回収した水銀を、環境中に漏れないよう固形化する技術の実用化に乗り出す。日本も締結している「水俣条約」が発効すれば人体に有害な水銀の取り扱いが厳格化されるため、実証機を新設して安定的な処分の流れを確立する。水銀を固形化する技術は今のところ実験段階にとどまっており、世界に先駆けた取り組みになる。

     水銀が使われている製品は現在、廃棄物としてそのまま処分されるか、民間業者が回収してリサイクルされるかしている。

     水俣条約が発効すると、締結国では2020年までに、電池、蛍光灯、体温計、農薬など9種類の水銀使用製品の製造や輸出入が禁止され、水銀自体の輸出入も規制される。日本では回収して取り出した水銀の大半が輸出に回されていたが、今後は国内で環境に影響のない形の処分をしなければならない。水銀は常温だと液体なので、国連の指針は(1)固形化して埋め立て(2)特別な容器に入れて廃坑などに永久保管−−のいずれかの方法による処分を求めている。

     政府は昨年、回収した水銀は固形化して埋め立てる方針を決定。その方法として、水銀と硫黄を化学反応させた「硫化水銀」にしてから固めることにし、環境省の来年度予算案に実証事業費7800万円を計上した。自然界にも存在する硫化水銀は埋めても水に溶ける危険がなく、国連の指針も処分法として推奨している。

     同省によると、来年度に本格的な水銀の硫化・固形化設備を造り、現在回収している年間50トン程度の処理が可能かどうかを検証する。その上で、来年度末までに水銀と硫黄をどの程度の割合で反応させるかなどの詳細な基準を作るという。将来的には、民間の廃棄物処理業者が基準に従った処分を担うことになる。実証機の設置場所などは業者や自治体と今後協議する。

     同省産業廃棄物課適正処理・不法投棄対策室は「水銀使用製品の製造禁止で国際的に水銀の需要が激減する20年より前に、国内で適正処理できる体制の確立を目指す」と語る。

     また、国内の水銀リサイクル・輸出最大手の野村興産(東京都)も、年100トンを処理できる施設整備に来年度から着手する計画で、藤原悌(やすし)社長は「途上国への技術支援なども積極的に進めたい」と話している。【大場あい】

    水俣条約

     水銀による健康被害や環境悪化を防ぐことを目的とした国際ルール。世界規模で水銀の使用や輸出入を規制し、水銀鉱山の新規開発も禁止する。有機水銀が原因の公害・水俣病の悲劇を繰り返さない決意を込めて日本政府が名称を提案し、2013年に熊本県で開かれた国際会議で採択された。日本は今年2月2日に締結し、年内に発効する見通し。

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