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ありがとう…2048回、最後の生放送

野外特設スタジオで最後の生放送に臨む高校生パーソナリティーとスタッフら=宮城県女川町まちなか交流館前で27日午後1時23分、百武信幸撮影

 今月末で放送終了となる宮城県女川町の臨時災害放送局「女川さいがいFM」が27日、最後の生番組を放送した。29日まで収録番組を放送した後、終了する。東日本大震災約1カ月後の2011年4月から生活情報などを発信してきたが、予算や人材の問題から閉局を決めた。この日の生番組には仮設住宅から被災者の声を送り続けた3人の「高校生パーソナリティー」も出演。「ラジオに育ててもらった」感謝の思いをマイクに込めた。

    出演の高校生「ラジオに育ててもらった」

     2048回目となる最後の放送は、昨年12月に完成したJR女川駅前商業施設の一角の特設スタジオで始まった。高校生パーソナリティーの後藤えりさん(18)は途中で声を詰まらせ「ありがとうございました」と続けた。

     中学を卒業した2013年3月、いとこの住吉なつみさん(18)と「女川の力になりたい」と放送に参加。うまく話せず「辞めよう」と思った時もあったが、被災者を励まそうと努力する仲間やゲストの姿に触発され放送を続けてきた。今月高校を卒業し、4月から仙台市の美容専門学校に通う。「この経験を一生大切にしたい」

     住吉さんは閉局が決まってから、高齢のリスナーに「なくなるのはさみしいね」と声をかけられた。来月から仙台市の医療事務専門学校に通うが「町の福祉住宅に足を運び、交流を続けたい」と言う。仮設住宅で被災者にインタビューしてきた阿部紗季さん(18)は「大きな被災体験をしていない自分でいいのか」と迷いながらマイクを向けてきた。4月から福島県いわき市で大学生活を送るが、「ラジオを通じていろんな人から愛をもらった。必ず女川に帰ってきたい」と話した。

     震災直後、広報機能を失った自治体には臨時災害FMが相次いで開設され、被災者にさまざまな情報を伝えてきた。しかし震災5年を迎えた今月になり、岩手県大槌町と宮城県亘理町の災害FMが既に閉局。女川さいがいFMが放送してきた番組の一部は、宮城県の「TBC(東北放送)ラジオ」に引き継がれる。【百武信幸】

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