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政府軍、パルミラ奪還…ISから10カ月ぶり

 【カイロ秋山信一】シリア政府軍は27日、中部の要衝パルミラを過激派組織「イスラム国」(IS)から約10カ月ぶりに奪還した。国営メディアが報じた。政府軍はパルミラ制圧を弾みに東部デリゾールやイラクとの国境地帯でも攻勢に出る構えを見せる。ISはイラクでも劣勢が続き、支配地域縮小に歯止めがかからない状況だ。

     国営メディアなどによると、政府軍とレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラは、ロシア軍の空爆による援護を受けて、27日朝にパルミラ一帯を制圧した。残党の掃討とISが残した地雷の除去を進めている。独自に戦況を調査している在英の民間組織シリア人権観測所によると、約3週間の攻防戦でIS側は400人以上、政権側は180人以上が死亡した。

     パルミラは世界文化遺産に登録された古代遺跡で知られる。イスラム教成立以前の多神教文化を否定するISは、ベル神殿やバールシャミン神殿など多神教関連の主要な遺構を破壊したが、円形劇場など一部は残っており、シリア政府はユネスコと協力して遺跡の修復を進めたい考えだ。

     シリア政府関係者によると、政権側は2月27日に反体制派との一時停戦が発効した後、北部アレッポ県に展開していた主力部隊をパルミラに投入し、3月上旬に攻撃を本格化した。停戦発効後も反体制派との地上戦は続いているが、互いに戦闘を抑制しているため、当面の攻撃目標を反体制派からISに移した模様だ。

     内戦を「対テロ戦」と位置付けるアサド政権にとってパルミラ奪還は対IS戦では最大級の成果で、国際社会へのアピールになる。軍事的成果が出たことで、反体制派との和平協議でも強気の姿勢を続けるのは確実だ。政府軍は今後、ISに約20万人が包囲されているデリゾールの解放を目指すとみられる。

     一方、ISは過去1年間でイラクとシリアの支配地域の約2割を失った。劣勢の反動から、大規模テロを起こして存在を誇示する傾向が強まっている。

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