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社説

朝鮮学校補助金 子供を中心に考えよう

 朝鮮学校への補助金交付について文部科学省が「透明性」などを求める通知を関係都道府県に出した。

     補助金の公益性、目的に沿った執行、住民への情報提供などである。

     文科省は「これは北朝鮮への制裁とは関係ない。減額や停止を求めたものではない」としている。

     だが、地方自治体の権限である補助金交付に関して、中央から通知を出すのは異例のことだ。自治体側がこれを事実上の停止圧力と受け止め、全体に交付「自粛」へとつながる可能性がある。

     国家的な犯罪である日本人拉致問題、東アジアの平和を脅かす核実験、弾道ミサイル開発など、外交上厳しく対峙(たいじ)を続ける北朝鮮である。

     制裁措置にからみ、自民党などから朝鮮学校への補助金を停止すべきだとの意見が出ていた。使途が不透明とする指摘もあった。通知の背景にはこうした状況がある。

     子供を中心に据えて考えたい。

     重い制裁措置など外交上の圧力は当然だが、それと子供の教育の場への締めつけは別だろう。

     「各種学校」である朝鮮学校は28都道府県が認可し、休校中も含め68校ある。日本の幼稚園、小、中、高校の児童生徒に相当する六千数百人が通う。このほか朝鮮大学校がある。

     文科省によると、補助金交付は2010年度ごろから減る傾向にあり、14年度の実績で18道府県から計1億8603万円、114市区町から計1億8591万円だった。

     学校運営費のほか、保護者補助などに充てられるという。

     私立学校と同様、多くの教育機関に公的財政支援があるのは、教育を受ける権利と機会の保障という理念に基づく。朝鮮学校も民族文化教育のほか、日本の学習指導要領を踏まえた教科学習をし、日本の大学へ進学する生徒も多い。

     学校側も変わる必要はないか。

     通知は、学校の教育内容や人事、財政に密接に在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が影響を及ぼしているという政府認識を前提にした。

     指導者礼賛や歴史観などへ違和感を持つ人は過去においても少なくなかった。学校側は、今回は差別問題であり、教育内容は関係ないとの考え方のようだ。しかし、こうした状況も見据え、もっと開かれた学校づくりを試みてはどうか。

     朝鮮学校の子供たちは、日本の社会風土に育った。環境も流行も価値観も国籍を超えて重なり合う。

     スポーツなどを通じ、親しまれる学校もある。行事を地域社会と協力して催す例もあり、新たな共生の境地を開く余地は十分にあろう。

     締めつけより、息長く得るものを求めたい。

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