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ゲンシャー元外相死去89歳 冷戦終結の立役者

 【ベルリン中西啓介】旧西ドイツ時代から18年間にわたって独外相を務め、東西ドイツ再統一に貢献したハンスディートリヒ・ゲンシャー元ドイツ外相が3月31日、死去した。89歳だった。死因は心不全。旧ソ連との緊張緩和と東欧の民主化支援を推進し、冷戦終結の立役者になる一方、欧州統合を推進。「ゲンシャー外交」と呼ばれる手腕で、統一後のドイツ外交の基本方針を築いた。

 1927年ドイツ東部ライデブルク生まれ。52年に西独に移住。自由民主党に入党し、65年に連邦議会(国会)に初当選した。ブラント内閣の内相だった72年には、ミュンヘン五輪選手村で、イスラエル人選手らが殺害されるテロが発生。事件後に対テロ特殊部隊を発足させ、テロとの戦いを進めた。74年に外相に就任。82年にはコール政権の誕生を主導し、以後、政権退陣の92年まで外相を務めた。

 80年代に起きた東欧の民主化運動を一貫して支援し、89年にはチェコに逃れた東独からの亡命希望者の受け入れを実現。東独での市民の不満の高まりを象徴する出来事は、再統一への伏線になった。また、ソ連のゴルバチョフ共産党書記長(当時)が唱えたペレストロイカ(改革)政策を支持し、冷戦終結を導いた。

 一方で、91年に旧ユーゴスラビアからの独立を宣言したクロアチア、スロベニアをドイツが率先して承認したことは、ユーゴ紛争の激化を招いたとの批判も受けた。

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