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意識不明で自動停止、国交省が開発促す

ドライバー異常時対応システムの仕組み

 走行中の運転手の体調が急変したことによる交通事故が相次いでいるとして、国土交通省は、先進的な装置を活用した防止策の検討を始めた。「ドライバー異常時対応システム」と呼ばれる現在開発中の技術で、運転手が意識を失うと自動でブレーキがかかる仕組みだ。国交省は既に技術指針を定めており、自動車メーカー各社に開発を促す方針だ。【内橋寿明】

 国交省によると、バスやトラック、タクシーなどの事業用自動車の運転手の体調が急変したことによる交通事故は2014年に全国で220件起き、39人が死亡、116人が重軽傷を負った。特にバスの負傷者数は、運転手11人に対し、乗客や巻き込まれた歩行者が44人に上った。運転手の体調急変は脳や心臓の疾患が多くを占めた。

 国交省はバス、タクシー、運送会社に対し運転手の健康診断を義務づけているほか、人間ドックの受診や睡眠時無呼吸症候群の検査を勧めている。しかし、費用負担の問題から睡眠時無呼吸症候群など詳しい検査をしている中小会社は少ないという。

 こうした実情を踏まえ、国交省が着目したのが異常時対応システム。運転席に取り付けたカメラやセンサーに運転手の顔の向きやまぶたの開閉、ハンドル操作が映り、前を向かなかったり、目を閉じたままだったりといった異常が続いた場合、警報音が鳴る。

 バスやトラックの一部には、既にこうした装置が備え付けられているが、自動車メーカー各社は更に、警報音に運転手の反応がない場合、自動運転に切り替わり車を停止させるシステムを20年までに実用化できるよう目指している。

 また、自動で路肩に停止する技術や、乗客や同乗者が非常ボタンを押した場合も自動運転で停止できる仕組みの開発も急いでいる。

 一方、国交省は3月、運転手の異常検知からブレーキ作動までの時間を3.2秒以上とする指針を定めた。指針はすべての四輪車を対象としており、国交省の担当者は「バスなどの大型車だけでなく、乗用車への装備が進むことを期待したい」と話す。

事故続発、巻き添えも

 運転手の体調急変が原因とみられる事故は相次いでいる。

 大阪・梅田の繁華街では今年2月、乗用車が暴走して横断歩道や歩道に突っ込み、3人が死亡した。乗用車を運転していた男性も死亡したが、大動脈解離が原因で意識を失ったとみられている。

 三重県亀山市では2013年7月、大型バスの男性運転手が走行中に意識を失い、異変に気付いた乗客がバスを停止させた。男性は急性大動脈解離とみられ、病院に運ばれた後に死亡した。

 愛知県瀬戸市では11年10月、バスが市道脇に転落し、運転手が死亡、児童ら39人が重軽傷を負った。運転手は事故直前にくも膜下出血を発症し、意識を失って運転不能になったとみられる。【藤田剛】

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