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遺骨

白石の「西洋の窓」宣教師か 獄死した屋敷跡から

「切支丹屋敷跡」で見つかったシドッチとみられる遺骨=東京都文京区提供

 江戸時代中期に来日、新井白石に影響を与えたものの獄死したイタリア人宣教師、ジョバンニ・バチスタ・シドッチ(1668〜1714年)とみられる遺骨が見つかったと4日、東京都文京区が発表した。キリスト教信者らの収容施設・切支丹屋敷跡(同区小日向1)の発掘調査で見つかり、DNA鑑定や文献資料などから可能性が高いとしている。鎖国・禁教下の日欧の交流を知る手掛かりとなりそうだ。

     シドッチは伊シチリア島・パレルモ出身。日本布教を志し1708年、フィリピンから屋久島に渡航し、捕らえられて江戸に送られた。当時幕政の実力者だった白石が尋問、そこで得た知識を基に海外情勢や地理などを記した「西洋紀聞」を著した。シドッチは比較的好条件で屋敷に幽閉されたが、世話役の日本人夫妻「長助・はる」を入信させたとして地下牢に移され、死去した。

     同屋敷跡はマンション建設に伴い2014年7〜8月、約1000平方メートルを調査、17世紀末〜18世紀初頭とみられる3体の人骨が並んで見つかった。うち1体は、埋葬の姿勢やひつぎを使用していることなど、ほぼキリスト教の様式にのっとる形で葬られていた。また国立科学博物館が歯からDNAを採取、鑑定し現在のイタリア人のグループに属する男性であることが分かった。

     骨の形状の分析による40〜60歳、身長170センチ台との推定も史料と矛盾なく、見つかった場所も江戸時代後期の地誌の記載と一致した。残る2体は、世話役の日本人夫妻の可能性があるという。

     早稲田大学の大橋幸泰教授(日本近世史)は「2人の出会いが、その後の幕府の禁書の緩和、洋学の発展を切り開いた。今回の発掘調査でも、シドッチが尊重されていたことが分かる。墓地などの伝承が裏付けられた意義は大きい」と話した。【最上聡】

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