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渡辺保・評 『佐野碩−人と仕事 1905−1966』=菅孝行・編

 (藤原書店・1万260円)

心血注いだ俳優教育、実態明らかに

 佐野碩(せき)をご存じだろうか。戦前の左翼演劇で活躍した人で、その人生は数奇をきわめた。

 明治三八(一九〇五)年中国天津で後藤新平の娘と医師佐野彪太(ひょうた)の間に生まれた。暁星、開成、浦和高校から帝大法学部に入学。在学中に芝居と左翼思想にひかれ、学生時代から左翼演劇の演出で活躍。そのために当時の政府の弾圧を受け、昭和六(一九三一)年渡米。ロンドン、パリ、ベルリンを経てモスクワでメイエルホリドの演出助手を務め、粛清の嵐のために、アメリカから中米メキシコに渡り、後半生はメキシコで多くの演劇人を育てた。その後も日本に帰らず、昭和四一年、六一歳で病死した。

 彼が日本を出たのは二六歳。その後の人生を海外で過ごしたため、国際的な演劇人であったにもかかわらず日…

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