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北九州市立中央図書館

図書館戦争ロケ地に全国から見学者

映画で「作戦室」として使用された部屋からはアーチ形の天井や館内が見渡せる

 アーチ形をした緑色の屋根が特徴的な北九州市小倉北区の市立中央図書館に、全国から見学者が訪れている。2月には、高校の修学旅行先にも選ばれた。2013年に公開された映画「図書館戦争」と、15年公開の続編「図書館戦争 THE LAST MISSION」のロケ地となったのが大きな理由だ。長年、中央図書館で勤務してきた職員の轟良子さん(62)と館内を巡りながら、映画への思いや図書館の役割について語ってもらった。【高芝菜穂子】

 館内にある扉に、うっすらと残る「防」という文字のシール跡。「図書館戦争のロケで『防護室』として使われました」と轟さんが説明してくれた。

 中央図書館は1975年に開館した。轟さんはその前年に北九州市に入庁し、開館準備から関わった。約40年間図書館職員として勤務してきた図書館の「生き字引」で、ロケ地となった感慨もひとしおだ。「映画は図書館の役割をわかりやすく伝え、これまであまり図書館に目を向けていなかった利用者も開拓した」と喜ぶ。

 映画の原作は、累計600万部を突破した有川浩氏の人気小説。国家による検閲やメディア規制が横行する近未来の日本が舞台で、武力もいとわない検閲に対抗するため、図書館側は「図書隊」を設立した。本と、本を読む自由を命がけで守る図書隊員たちの活躍が描かれている。

映画の撮影中「武蔵野第一図書館正門」があった付近に立つ轟さん。後ろの建物が中央図書館

 中央図書館は、映画に登場する「関東図書基地」と「武蔵野第一図書館」として撮影された。建築家、磯崎新氏設計の独創的な緑色の屋根や堅固なたたずまいが、図書基地のイメージに合っていると評価された。

作品紹介コーナーも

 映画の公開後は、月に100人前後が見学に訪れ、東北や関東、関西など遠方のファンも絶えない。館内には「図書館戦争コーナー」が常設され、映画の内容やロケ地が紹介されている。

 映画で「作戦室」として撮影された部屋を見せてもらった。普段は会議室として使用されているこの部屋からは、アーチ形の天井と館内が見渡せる。映画1作目では、図書隊の堂上(岡田准一)が、誘拐された部下の笠原(榮倉奈々)を助けるため、作戦室を飛び出すシーンが撮影された。他にも、玄関やスロープ、外観などで映画に登場する場所が多くある。

 図書館の役割を理解する上で、閉架書庫も案内してもらった。松本清張や岩下俊作から寄贈された貴重な本の数々や、明治以来の新聞も保存されていた。中央図書館の蔵書数は約48万冊に上る。轟さんは「図書館にはその国や地域の歴史や文化が保存されていますが、戦時中は図書館も破壊されました」と話す。終戦直後までの図書館では基本的に本は書庫にしまわれ、閲覧票に書名や自分の名前を記入して職員に探してもらわなければならず、有料制が一般的だったという。

 中央図書館が現在ある場所には戦時中、巨大な兵器工場、小倉陸軍造兵廠(しょう)があった。小倉市(現北九州市)は長崎市に落とされた原爆の第1目標だったが、当日、視界不良のため変更された。

 そんな場所がロケ地になったのも因縁だろうか。映画では「本を焼く国は、いずれ人を焼く」という言葉が出てくる。轟さんは「中央図書館は平和の象徴。図書館の役割は、自由に本を読める幸せを守っていくことだと思っています」とかみしめるように語った。

北九州市立中央図書館

 北九州市小倉北区城内4の1。電話093・571・1481。開館時間は、平日午前9時半から午後7時、土日祝日は午後6時まで。原則月曜日休館。館内の写真撮影は事務室で許可をもらう必要がある。

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