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「経験したことない揺れ」倒壊、火災も発生

地震の揺れで落ちた皿などが散乱した居酒屋の店内=熊本市中央区で2016年4月14日午後9時49分、野呂賢治撮影

 突然の激しい揺れに、繰り返す余震−−。熊本県益城(ましき)町で震度7を記録するなど、同県内を中心に九州各地で大きな揺れを観測した14日夜の地震。家屋倒壊や火災も各地で発生し、けが人も相次いだ。「今まで経験したことがないような揺れだった」。大きな地震に慣れていない南国の住民は体を寄せ合って、不安な夜を過ごした。

 「縦に2〜3回揺れた後、横に揺れ、電気が切れた」。最大の揺れを観測し、被害が集中した益城町。夫婦で居酒屋を経営する西田順子さんが地震時の様子を語った。

 西田さんは倒れた冷蔵庫の下敷きになり、店内にいたお客さんに助けられた。客もかすり傷を負い、店外に出ると、火の手が上がっているところも見えた。道路には亀裂が生じている箇所もあり、余震が続く中、「どうしたらいいか分からない」と動揺した様子で話した。

 同町広崎の会社員、三浦深(ふかし)さん(51)は自宅に1人でいた。「地鳴りのように下から突き上げるように揺れた後、大きく横に揺れた。食器棚が倒れ、食器が床に散乱し、水回りは足の踏み場がない。揺れでピアノも1メートルほど移動していた。こんな地震は生まれて初めてだ」と振り返った。

 町内の津森神宮では、江戸期に建てられた灯籠(とうろう)十数本がなぎ倒された。神社から約3キロの自宅にいた宮司の甲斐喜三男(きみお)さん(59)は「いきなりドンっと揺れがきて、茶だんすが倒れて蛍光灯も落ちてきた。こんなに揺れたことは今までない」。車で神社まで駆けつけたが、途中の交差点は道路が上下にずれ、1メートルほど陥没した場所があったという。「どこの家も窓が割れ、ブロック塀が倒壊している。ガードレールも斜めに曲がった。めちゃくちゃになったコンビニも見えた」と話した。

 境内は停電しており、懐中電灯を頼りに確認したところ、高さ3メートルの日露戦争時の石碑も倒れていた。余震がたびたび起きる中、救急車が行き交う音や、「火の始末をしてください」と呼びかける町の防災無線が鳴り響く。甲斐さんは「余震で皆家の外に出ている。けが人がないといいが」と語った。

 同町に隣接し、約74万人が暮らす熊本市でも震度6弱を観測した。南区城南町の男性(26)は自宅2階の部屋にいた時に地震が起きた。「強い横揺れが10秒から20秒くらい続いた。本棚の本が飛び出し、棚の上にあったものは全て落ちてきた。台所では食器が割れて散乱し、このままでは危ないと思って1回目の大きな揺れが落ち着いたところで、靴と懐中電灯を持って外に出た。その後も余震が続いているので、車の中に避難している。外では市の防災無線が避難場所を流している」と息を切らせながら話した。

 同市中央区のアーケード街では建物の壁がはがれ落ち、路上に散乱。飲食店から飛び出した客らは、余震が来るたび体を寄せ合っていた。同区の飲食店の50代男性店主は「ドーンと揺れが来た瞬間、焼酎ボトルが次々落ちてきた」と話し、左手の指に軽傷を負った。別の飲食店従業員の女性(18)も「壁からボトルが落ちてきて揺れが収まった瞬間に怖さが襲ってきた」と涙目だった。

 同市東区の陸上自衛隊健軍駐屯地の広報担当者は「隊員は出勤させ、要請があればすぐにでも出動できるよう待機している」と話した。

 同県内では携帯電話がつながりにくくなっており、NTTドコモは携帯電話でインターネットを通じて安否確認をする災害用伝言板サービスと音声お届けサービスを開始した。全国から利用でき、被災地で安否を確認したい人の携帯電話番号を入れて検索すると、登録されたコメントを確認できる。被災地の人に安否情報の入力を依頼することもできる。【野呂賢治、柿崎誠、青木絵美】

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