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熊本地震 「我が子のような存在」南阿蘇村で学生3人死亡

押しつぶされたアパートの1階から大学の友人が心肺停止で発見され、アパートの前でうなだれる大学生=熊本県南阿蘇村で2016年4月16日午後3時37分、津村豊和撮影

 16日未明に再び熊本県などを襲った大地震。学生ら向けのアパートが倒壊し、多数の土砂崩れも起こるなど大きな被害があった南阿蘇村。東海大阿蘇キャンパス近くでは、アパートが少なくとも6棟倒壊し、16日未明から消防の救助隊員らが生き埋めとなった学生らを10人以上救助したが、脇志朋弥(わき・しほみ)さん(21)、清田啓介さん(18)ら学生3人の死亡が確認された。

 学生11人が暮らしていた木造2階建ての「竹原アパート」では午後3時半ごろ、つぶれた1階からブルーシートに包まれた遺体が運び出された。様子を見守っていた友人らから「だめだったか」とため息が漏れた。近くに住む家主の竹原めぐみさん(72)は「学生は我が子のような存在です」と涙を浮かべた。

 脇さんの実家がある鹿児島県南大隅町で衣料品店を営む東幸治郎さん(57)は「私の次女が地元の小中学校のバレーボール部で一緒だった。(4年生で)就職活動をしていると人づてに聞いていた。もうすぐ独り立ちする前の子供を亡くした家族の気持ちを思うといたたまれない」と肩を落とした。

 「寝ていたら、ドーンという地面をたたくような衝撃が来た」。2階に住んでいた1年生の男子学生(18)は未明に襲った衝撃を振り返った。気づくと1階がつぶれており、窓から外に飛び降りて避難したという。

 阿蘇キャンパスには農学部と大学院があり、大学によると、4月現在で約1000人の学生が在籍。8割は自宅外から通学し、キャンパスの南側には約60棟のアパートや下宿が集中している。周辺の道路は土砂崩れなどで寸断された場所もあり、わが子を捜しながら「この向こうに息子がいる」と叫ぶ保護者もいた。

倒壊した家屋で発見された友人が搬送されるなか、涙を流す今村百合子さん=熊本県南阿蘇村で2016年4月16日午後2時38分、和田大典撮影

 キャンパス近くでは住宅の倒壊も相次いだ。午後2時半ごろにはがれきの中から60代の女性が助け出された。「まっちゃん!」。見守っていた友人の今村百合子さん(67)が叫んだが返事はなく、両手で顔を覆って泣き崩れた。

 山鳴りとともに絶え間なく余震が襲う中での救助活動。「緊急地震速報。大地震です」。村の防災無線からアナウンスが流れるたびに、隊員らは捜索を中断し退避した。その様子を、今村さんはタオルで時折、涙をぬぐいながら見守った。

 「14日の夜とは全然違う激しい揺れだった。何でこんなことになるのか」。今村さんは疲れ切った様子で搬送されていく女性を見守った。

 土砂崩れが相次いだ村内では、夜に降雨が予想されているため避難指示が出た。2次災害の発生の恐れがある中、行方不明者の情報がある場所では、夜まで懸命の捜索活動が続いた。【降旗英峰、樋口岳大、新開良一】

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