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熊本地震 南阿蘇、懸命の捜索…被災者、疲労の色濃く

土砂崩れ現場で行方不明者を捜す自衛隊員。住宅が奥に1軒あったが、完全に埋まっている=熊本県南阿蘇村黒川地区高野台で2016年4月17日午後1時49分、丸山博撮影

 2度の大地震により被害が拡大した熊本地震の被災地では、17日も多数が行方不明となっている熊本県南阿蘇村を中心に捜索活動が続けられた。被災地では地震がおさまらず、高速道路や鉄道網の復旧も遅れ、燃料や食料などの物資も不足している。14日の最初の地震から3日が過ぎ、被災者の間では疲労の色も濃くなり始めた。

     南阿蘇村では17日、雨が上がった朝から、不明者情報があった4カ所で陸上自衛隊や警察の機動隊員らによる捜索活動が続いた。

     長野地区にある火の鳥温泉では、土砂崩れで宿泊客2人が行方不明になっている「ログ山荘火の鳥」周辺で陸自隊員ら約200人がショベルカーやスコップを使い、高さ10メートル近くまでたまった土砂を懸命にかき分けた。

     「一刻も早く見つかってほしい」。山荘の経営を手伝う出野(いでの)由紀子さん(46)は祈るような表情で捜索を見守った。土砂に巻き込まれたのは宿泊棟やレストラン。管理人らは別の棟にいて無事だったが、香川県から泊まりに来た40代の男女2人の安否が分からない。洋風の家庭料理が評判で、県外客も多かった山荘。2人も1泊2日の予定で初めて泊まりに来ていたという。

     捜索に当たる陸自第17普通科連隊の荻原弘範3等陸尉(25)は「土砂の量が多く困難な現場」と語る。2人は寝室にいたとみられるが、捜索中も間断なく余震が続く。荻原3尉は「木材の間に隙間(すきま)があるので、生存の可能性は十分にある。細かな兆候を察知して助けたい」と誓った。

     5人が行方不明になっている高野台地区の捜索現場は、山の斜面が見渡す限り崩落し、別荘地が土砂にのみ込まれていた。自衛隊や警察官ら数百人が土砂に埋まった家屋を泥まみれになりながら掘り起こしている。

     5人のうち1人の女性の捜索に当たる陸自の隊員は「女性がいたとみられる家屋は約50メートル土砂に流された。現場までの道路が土砂崩れで寸断され、重機が入れない。約60人で半日かけて現場を約1メートル掘ったが、屋根の痕跡すらまだ見つかっていない」と話した。村内は各地で道路が寸断され、ガソリンや食料なども不足。車両の整理などに当たる村消防団の渡辺英行分団長(46)は「重機や車両の燃料が足りず、携帯電話も通じない。いつ土砂がまた崩れてくるかも分からない」と苦しい状況を明かした。

     一方、学生ら向けのアパート6棟が倒壊し、3人が犠牲となった東海大阿蘇キャンパスの近くでは、学生や保護者らが家財道具の片付けに追われた。同大2年の大野睦(りく)さん(20)が亡くなった竹原アパートでは、2階に住んでいた農学部1年の北村菜美絵さん(18)が「ここで4年間を過ごすと思っていたのに」と言葉を絞り出した。1階に住んでいた大野さんとは、4日の入学式の夜にあった入居者の歓迎会で話をしたばかり。「テニスサークルの話をしてくれた。優しそうな人だった」と死を悼んだ。

     村役場では職員が相談に訪れる住民らの対応に追われた。17日午前11時ごろには近くの飲食店が出火し、ほぼ全焼。炊き出しの火が燃え移ったとみられ、住民たちが不安そうに見守った。村内は停電が続いており、村久木野庁舎では発電機を使った電源コーナーが設置されたが、数十個あるプラグは常時埋まった状態。携帯電話を充電した高野良子さん(75)は「自宅が雨漏りし、鉄筋の倉庫で暮らしているが、ガソリンが底を突きそう」と疲れた表情で語った。【杉山雄飛、樋口岳大、降旗英峰】

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