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断層跡が生々しく…「日奈久」複数の箇所で亀裂

モグラが掘り進んだような形に盛り上がる断層の痕跡=熊本県御船町で2016年4月17日午前11時29分、飯田和樹撮影

 熊本の地震の調査のため現地に入った遠田晋次・東北大教授(地震地質学)に同行し、地表に現れた断層の痕跡を探して被災地を歩いた。14日に前震があった日奈久(ひなぐ)断層帯周辺では、これまでに見つかっていなかった地表面の亀裂を複数の箇所で確認した。14日の段階ではなかった痕跡で、16日の布田川(ふたがわ)断層帯の本震に伴って再度動いたとみられる。本震以降、日奈久断層帯沿いの地震活動は南西方向に拡大しているが、こうした断層の動きが原因となっている可能性が浮かんだ。【飯田和樹】

 九州中央自動車道小池高山インターチェンジの南にある熊本県御船(みふね)町高木の公民館。敷地のアスファルトが、モグラが地表付近を掘り進んだ跡のように盛り上がっている。「断層がずれ動き、地表が所々でぶつかり合ってできる『モールトラック』という現象。断層の痕跡だ」と遠田教授。断層をまたいで建っている公民館の壁は、断層を境に約50センチ折れ曲がっていた。活断層がずれ動いてもマグニチュード(M)6.8より小さいと地表面に痕跡は現れにくく、M6.5の前震では現れなかったものが、本震のM7.3で出現したとみられる。

 南南西約1キロに車で進むと田んぼが広がった。遠田教授があぜ道を指す。目をやると、真っすぐの道が右にずれていた。住宅街を縫ってさらに南南西へ。車を止めたのは、公民館から約3キロの地点。崖の下のラインの延長線上ではアスファルトが裂け、さらに先の民家の庭のネギの列は、途中で約25センチ右にずれていた。家主の岡田幸助さん(79)は「16日の地震の後にこうなった」と驚いていた。

 ここは、布田川と日奈久の両断層帯の交差地点から約7キロ。遠田教授は「思ったより痕跡が長く続いていた。本震でさらに南側の割れ残りにも力がかかっている可能性があり、地震発生を危惧している」と話した。

最大加速度、阪神上回る…防災科学技術研究所が解析

 国土地理院(茨城県つくば市)は本震で長さ27.1キロ、幅12.3キロの断層面が3.5メートルずれたと推定し、これらのデータから規模が大きい場合に精度よく地震の大きさを示すとされる「モーメントマグニチュード」を算出した。7.0となり、阪神大震災の6.9と同程度となった。古村孝志・東大地震研究所教授(地震学)は「0.1違うとエネルギーは1.4倍の差があるが、誤差も考えると同規模だ。熊本市や益城町では木造家屋が壊れやすい1〜2秒周期の揺れが比較的強い点でも、阪神と似ている」と指摘した。

 一方、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は16日の本震について益城町の地震動を解析し、揺れの強さを示す最大加速度が1362ガル(ガルは加速度の単位)だったと発表した。同じM7.3で891ガルだった阪神大震災を上回った。最大加速度は、瞬間的な地表の揺れを示す。建物を破壊する力を測るデータだ。ただし、震源が浅い時や地盤が軟弱な場合に大きくなる傾向があり、単純な比較は難しい。青井真・地震津波火山ネットワークセンター長(強震動地震学)は「地形や地震計の設置位置も考慮し、数値が大きくなった理由を検討しなければならない」と話した。【五十嵐和大、柳楽未来】

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