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動物愛護

犬と猫の架空都市「こにゃん市」で市長選

当選証書授与式で、秘書の平林さんに抱かれる第5代こにゃん市長のあんず

 滋賀県湖南市観光協会が作った犬と猫の架空都市「こにゃん市」の第6代市長を決める投票がインターネット上で繰り広げられている。市内には捨て猫や野良犬を保護する県動物保護管理センターがあり、動物愛護と観光PRが目的だ。一方で運営には課題が浮かび、センターとの連携も模索されている。【村瀬優子】

     「全ての住民が幸せに暮らせるようにがんばりますニャ」

     第5代市長の雌猫・あんずはマニフェストならぬ「ニャニフェスト」を掲げて昨年4月に当選。「秘書」となった飼い主の音楽講師、平林勲さん(51)の通訳を介し、夏祭り出席やブログ更新などの「公務」を果たしてきた。

     平林さんの家には現在、9匹の猫がいる。かつて野良だったり、動物病院に捨てられたりしていた猫ばかりだ。あんずは庭先にいたところを保護。悪性リンパ腫を患っており、「生きた証しを残したい」と立候補させたという。

     2011年に始まったこにゃん市長選は、市内で飼われている犬と猫が立候補でき、全国から投票を受け付ける。初回は2038票が寄せられ、県動物保護管理センターで飼い主に巡り合った雄猫・ぎんが456票を集めて当選した。任期は1年で、その後も繁殖業者に飼育放棄されたところを保護された雌のパグ犬・ひなたや、センター出身の雌猫・花梨などが選ばれてきた。

     11、12年には、センターで保護されている猫たちを出馬させて飼い主を探す「こにゃん市議選」も実現。写真や性格をホームページに掲載したところ、計17匹の猫全てに引き取り手が見つかった。センター職員は「こにゃん市のおかげで県民にセンターのことを知ってもらう機会が増えた」と評価する。

     一方で、こにゃん市の運営には課題も指摘されている。現市長のあんずは、大勢の報道陣が集まった当選証書授与式で平林さんの顔にかみつき逃走。8月の夏祭りでは暑さで体調を崩し、「体調不良でさっさと帰ってしまったこと、心からお詫(わ)びを申し上げますニャ…」とブログ上で謝った。平林さんは「室内飼いの猫は慣れない環境が苦手で、多くの人や大きな音にパニックを起こすことがある。生身の姿を過度に期待せず、ネット上の露出を増やした方が良いのではないか」と話す。市観光協会の職員も「肉球を押す『サイン会』や、市長の服を作ろうと計画すれば、虐待じゃないかという声も上がり、難しい」と打ち明ける。

     市議選は13年以降、譲渡できる状態の猫が少なくなり開かれていない。一方、昨年度にセンターが収容した猫は約1200匹を数え、そのうち約1000匹が殺処分された。ほとんどが野良猫の産んだ乳飲み子で、育てるのが難しいため安楽死させざるを得ないという。職員は「野良猫や室外で飼われている猫の不妊手術を徹底することが重要」と訴える。

     だが、こにゃん市長がセンターを訪れて交流したり、こうした啓発をする機会はこれまでなかった。年1回、センターで開かれるジャズコンサートに、こにゃん市のマスコットキャラクターが参加するだけだ。市観光協会の奥村通裕事務局長(61)は「今後はセンターと連携を深め、動物愛護のイベントにも取り組みたい」と話す。

     第6代市長選は犬5匹、猫10匹が立候補。25日までこにゃん市のHPから投票できる。リードしているのは、道端に捨てられていたという雄猫・ジュリアーノ。「今のお父さんが連れて帰ってくれて、幸せになったんだ。僕の手で幸せを一杯招き、『幸せを招くこにゃん市』をアピールしたいな!」。光るニャニフェストを実現させる人間の取り組みが問われている。

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