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過去問題で対策 文科相「本末転倒」と批判

 馳浩文部科学相は20日の記者会見で、今年の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を巡り、成績を上げるために2月ごろから生徒に過去の問題を解かせていた地域があったと指摘し、「学力テストは点数の競争ではなく指導改善につなげるためのもの。本末転倒だ」と怒りをあらわにした。

 「残念なことがありましたので1点報告します」。政府の教育再生実行会議終了後の記者会見で馳氏は突然こう切り出し、ある地域の教員から提供されたという情報の内容を明かした。

 それによると、教員の学校では教育委員会からの「内々の指示」で、2月ごろから授業時間を使って生徒に過去の問題を解かせた。教員は「こんなことをするために教員になったのではない」と訴えたという。

 学力テストを巡っては、指導に生かすという名目で過去の問題を解かせたり、学校で類似のプリントを作ったりしている自治体があると以前から指摘されていた。現場の教員からは「テストに備えるためのテストに追われ、授業時間が削られる」といった声も上がっている。

 こうした状況に馳氏は「うわさには聞いていたが、現場から憤りの声をいただいたことはなかった。基礎学力をどこまで身につけたか、その結果を受けどのような授業を展開するかといった、学力テストの本質を見失わないでほしい」と訴えた。

 学力テストの問題に詳しい中嶋哲彦・名古屋大大学院教授(教育行政学)の話 馳氏が言うことはもっともだが、地域によっては市町村別や学校別の成績も公表される現状では、学校現場は「競争しなさい」と言われていると受け止めるのが普通だ。各地で対策に相当な時間を費やしていることは以前から分かっており、それが問題だと言うならテスト自体をやめた方がいい。苦手な分野を確かめるのが目的なら、学年全員ではなく抽出調査でも十分足りる。【佐々木洋】

全国学力テスト

 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。「ゆとり教育」による学力低下批判を受け、2007年度から小6と中3の学年全員を対象とする方式で43年ぶりに復活した。当初、文部科学省は競争の過熱を恐れ、採点結果は都道府県別の公表にとどめたが「住民への説明責任」などを訴える地方の首長らの声に押される形で公表の範囲を拡大。14年度から教育委員会の判断で市町村別や学校別の成績も公表できるようになった。

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