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減らぬ避難者…8万人「余震怖い」 熊本市

1週間以上たっても家に帰ることができない人たちでいっぱいの避難所=熊本県益城町で2016年4月22日午後6時43分、山崎一輝撮影

水道、ガス復旧も遅れ

 熊本地震では約8万人が避難生活を続け、長期化する様相を見せている。その半数を占めるのは、全半壊と確認された住宅数が2桁にとどまる熊本市だ。震度6強の大地震の約28時間後に発生した阪神大震災級の本震と頻繁な余震。地震の繰り返しが被災者に恐怖を与え続け、ライフラインの復旧にも影響を与えるという、かつてない災害の姿が浮かび上がる。【数野智史、土本匡孝、石川貴教】

     「まさか2回もあんな地震が起きるとは思わなかった。いつ次が起こるか分からないので、しばらくは安全な体育館にいたい」。熊本市南区の市立城南中体育館に長男(17)と長女(15)を連れて避難する上田邦子さん(46)は地震発生1週間の21日、こう話した。

     県によると、22日午後1時半現在の熊本市内の住宅の全壊は40棟、半壊が45棟。避難者数は、地震発生後の15日午後3時時点で5248人まで減ったが、本震のあった16日から急増し、17日には10万人を突破した。その後は半減したが、5万人前後で推移している。

     熊本市では14日以降、震度1以上の余震が800回を超えている。同市南区の幸田総合出張所で避難を続ける野田美則(みのり)さん(70)も「暗闇と揺れが怖い。早く自宅で手足を伸ばしたいけど、あと1週間は様子をみないと安心できない」とつぶやいた。

     同出張所の北川公之(こうし)所長(56)によると、わずかな揺れでもおびえて施設の外に飛び出す避難者がいるという。市危機管理防災総室の伊藤暢章(のぶあき)主幹は「自宅にいて、また大きな地震が来たらという恐怖がまだあるのでは」と余震の継続を警戒する。

     水道やガスなどライフラインの全面復旧にはまだ時間がかかりそうだ。城南中の体育館で長女と避難を続ける村野照伸さん(87)は「自宅に戻っても水が少しずつしか出ず、食事や風呂に困る。安全な体育館のほうがいい」と理由を語った。

     市によると、水道は本震の直後、市内全域で断水。22日朝までに対象となる32万6000世帯の99・7%まで通水再開にこぎ着けた。ただ、漏水情報が1000件以上あり、水圧が弱くてマンションなどで水が出ないケースが相次いでいる。

     自宅の配水管自体が破損している世帯も多い。余震で業者の復旧作業が中断することもしばしばで「完全復旧は、まったく見通せない」(市上下水道局)のが現状だ。

     西部ガス(本社・福岡市)は本震発生後、全約10万戸への都市ガスの提供を停止。全国のガス会社の応援も受けているが、ガス漏れの有無を1戸ずつ確認する作業などが必要なため、22日午後3時現在で復旧できたのはわずか1万24戸。「ガス管は毛細血管のように地中に広がっており、復旧するにはまだ時間が必要だ」(同社)と説明する。完全復旧の目標は、ゴールデンウイーク明けの5月8日という。

     避難者の住まいについて市は、住宅の全半壊数などから公営住宅の活用を優先する考えだが、想定を上回る大規模な避難がさらに続けば、新たな対応を迫られる可能性もある。

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