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先輩からの手紙/174 バイオリニスト・前橋汀子さん/下

「出会いに恵まれたバイオリン人生です」と話す前橋汀子さん=内藤絵美撮影

表現ひょうげんしたいことは年々変ねんねんかわる、だから音楽おんがくはおもしろい

 バイオリニストの前橋汀子まえはしていこさんは、留学先りゅうがくさきのソれんいまのロシア)から20さい帰国きこくしました。しかし、日本にっぽんこしけることなく、今度こんどはアメリカ、スイスを転々てんてんとします。てしない音楽おんがくたびは、いまつづいています。【出水奈美でみずなみ

    だい楽章がくしょう わりなきみち

     「わたし本当ほんとうに、出会であいにめぐまれていました」。かみしめるように、前橋まえはしさんはこうかえります。

    スイスでシゲティ(右)と=前橋さん提供

     ソれんから帰国きこくしたあと日本にっぽん世界最高峰せかいさいこうほう弦楽四重奏団げんがくしじゅうそうだん、ジュリアード・カルテットのメンバーに出会であいました。影響えいきょうけて1968ねん今度こんどはソれん対立たいりつする大国たいこく、アメリカにあるジュリアード音楽院おんがくいん留学りゅうがくしました。さらに、演奏家えんそうか引退いんたいしてスイスでらしていた巨匠きょしょう、シゲティのレッスンをける機会きかいます。アメリカからスイスにかよううちに、スイスがり、うつむことにしました。

    指揮者のストコフスキー(中央右)と=前橋さん提供

     ヨーロッパでらしはじめたころには、バイオリニストとしてきる覚悟かくごめました。もうおやからの仕送しおくりもありません。シゲティのレッスンだいはツケにしてもらい、コンクールに賞金しょうきんるとまとめて支払しはらい、なんとかしのぎました。

     どころがないようにえますが、わかには挫折ざせつ経験けいけんしました。

     「19さいのころかな。じつは、コンクールの1次予選じよせんちたことがあるんです。フランスのパリでひらかれる、ロン・ティボー国際こくさいコンクールです。おやわせるかおがない、日本中にほんじゅうもうわけないとおもいました。たくさんきました」

     それでも、がります。2年後ねんご再挑戦さいちょうせんして、見事入賞みごとにゅうしょうたします。

    指揮者のルドルフ・ケンペ(右)と=前橋さん提供

     「今思いまおもうと、いい経験けいけんでした。くやしいおもいをえて、いかにつぎにつなげていくか。なにかあっても、そこでめげないで、とつたえたいです」

     バイオリンをやめようとおもったことも、一度いちど二度にどではありません。それでも、「バイオリンをとおしてびていくしかないの」とおだやかにほほみます。

    スイスでバイオリニストのミルシテイン(右)と=前橋さん提供

     前橋まえはしさんはいまわかいころから何度なんどとなくいてきた、バッハの「無伴奏むばんそうバイオリンのためのソナタ&パルティータ」に挑戦ちょうせんしています。「年々ねんねん表現ひょうげんしたいことはわります。わかいころのようないきおいはうしなっていても、いまだからこそえてくるものがある。それがおもしろいのよ」とをきらきらとかがやかせます。

     最後さいご小学生しょうがくせいのみなさんにメッセージをもらいました。

     「どんなことでもいいので、毎日好まいにちすきなことをコツコツとやってください。一日一日いちにちいちにちのことが1年先ねんさき、10年先ねんさきにつながります。つよおもいをいだつづければ、みちひらけますよ」


     〜きみたちにつたえたいこと(3)〜

    ねがつづければ、かならみちひらけます」

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