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熊本地震

学校再開いつ 子どもに不安感「地域でケアを」

小学校の再開が延期になって子供たちが落ち込んでいると聞いた地元のダンス講師が、避難所前の広場で音楽をかけて臨時ダンス教室を開催。久しぶりに子供たちに笑顔が戻り、自衛隊員も飛び入り参加して楽しい時間を過ごした=熊本市南区で2016年4月22日、野田武撮影

 熊本地震の被災地で、児童生徒約15万人が依然として授業を受けられなくなっていることが明らかになった。避難所として使われる学校は熊本県内だけで163校に上っており、避難者の多い地域では休校の長期化も予想される。避難生活を強いられる児童らの中には不安感やいらだちを示す子もおり、専門家は地域でのケアを呼びかけている。

 「再開のめどは立っていない。この状況で避難者を追い出すわけにはいかない」。熊本地震で最も多くの犠牲者を出した熊本県益城(ましき)町の広安小学校。一部にひび割れが入った校舎には23日朝も365人の避難者が身を寄せる。田中元(はじめ)校長は「できるだけ早く子どもたちを学校に戻してあげたいが、こちらの都合だけで動けない」と表情を曇らせる。

 避難者が少ない地域では週明けから順次再開の予定だが、益城町内にはまだ7000人以上の避難者がおり、避難所となる各学校の再開時期は見通せない。広安小に通う次男(8)と一緒に町保健福祉センターに避難する女性(34)は「先生からは再開まで県外の学校に通うこともできると説明されたが、再開してすぐ戻って来られなくなったら困る」と悩む。

 住宅の倒壊で3人が犠牲になった嘉島(かしま)町では町内の小中学校3校で体育館などに被害が出て、避難所としても使えなくなっている。町は来月2日の授業再開を目指すが、嘉島中の高森富雄校長は「校舎の位置が揺れで20センチほど横にずれてしまい、廊下も波打っている。再開の延期も検討しないといけない」と声を落とす。

 避難生活が長引く中、子どもたちにも影響が出ている。体育館の壁が崩落するなどした熊本市北区の城北小学校。校庭で車中泊する同小6年の中村優駕(ゆうが)さん(11)は「勉強が遅れるのが心配。会えない友達もいる」と寂しそうに話し、母鮎子(あゆこ)さん(33)は「見た目は元気だけど、雨の日は外出もできず、ストレスをためているように感じる」と心配する。

 長男(8)、長女(3)と親戚の家に一時避難していた益城町のパート従業員、吉川由美子さん(33)は「地震後、すぐに怒ったり、兄妹げんかをするようになった。授業も遅れるし、早く学校で思い切り遊ばせたい」とため息をつく。

 被災地の子どものケアに詳しい日本臨床教育学会の田中孝彦会長は「東日本大震災では多くの学校が再開するまで1カ月程度はかかっており、震度7が連続した今回も休校が1カ月くらい続くのはやむを得ない」と話す。その上で「再開しても避難者が校内に残ることも考えられ、事前に住民同士で学校の使い方をしっかりと話し合う必要がある。日常生活を奪われ、敏感になっている子どもたちの様子も教師を中心とした大人がしっかり見守り、学校再開時に必要なケアをすべきだ」と話した。【林壮一郎、小原擁、津島史人】

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