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社説

衆院北海道補選 組織力でしのいだ自民

 参院選の前哨戦と位置づけられた衆院北海道5区、京都3区の補欠選挙が投開票された。与野党の全面対決型だった北海道5区では、自民公認の新人候補が当選した。

     安全保障関連法が施行された直後の国政選挙だっただけに、安倍政権はひとまず安堵(あんど)した形だ。だが、野党系候補に追い上げられた。安倍晋三首相は選挙結果を謙虚に受け止める必要がある。

     北海道5区補選は町村信孝前衆院議長の死去に伴うもので、町村氏の次女の夫が後継候補に担がれた。民進や共産など4野党が推薦する無所属の女性候補との一騎打ちだった。

     この補選が注目されたのは、夏の参院選で民進、共産両党が1人区で進める選挙協力のモデルとなるためだ。野党側は安保法廃止やアベノミクスによる格差拡大などを訴えた。

     自民党は組織中心の戦いで激戦を乗り切った。公明党や地域政党・新党大地などの支援を得たほか、首相が自ら地方議員に電話を入れるほどの力の入れようだった。

     ただ、政党支持率に示される基礎体力ほどの票差はつかず、自民にとっては厳しい戦いとなった。

     毎日新聞の出口調査では当選者に取り組んでほしいことに「医療や福祉の充実」をあげた人が最も多かった。待機児童、介護問題など生活に身近な課題についての現状への不満の反映とみられる。

     北海道5区の結果は首相が衆参同日選に踏み切るかどうかの判断材料としても注目されていた。だが、補選の告示後に熊本地震が起き、与党内にも慎重論が広がっている。

     同日選論は参院で改憲賛成派を3分の2以上にするため、政権選択の選挙である衆院選を重ねることで、参院選での議席上積みを目指そうというシナリオだ。前回衆院選からまだ1年半程度しかたっていない。強引に持ち込むのは無理がある。

     今回、野党共闘が政権批判票の分散を防ぎ、自民を脅かしたことは確かだ。だが、自民が「野合」批判に重点を置いたこともあり、政党色を出さない戦術を取った。民進党が政権の担い手を目指すのであれば、選挙協力で目指す政策や、政権構想との関係をより明確にする必要があろう。

     勝利に結びつくほど支持が広がらなかった要因には結党直後にもかかわらず、民進党に有権者の期待が高まっていない状況がある。参院選の戦略を再点検すべきだ。

     京都3区補選は自民党に所属していた議員の辞職に伴い実施された。与党は候補を立てず、民進党候補が6人の戦いを制した。おおさか維新の会も候補を擁立したが伸び悩んだ。大阪以外への浸透力不足という課題を示したといえよう。

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