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被災地へ飛ばせ JALダイヤ担当が語る臨時便

JALで国内線のダイヤ編成を担当する伊藤邦明さん=東京都品川区の日本航空で2016年4月25日、米田堅持撮影

 熊本地震では、鉄道や道路など主要な交通網が寸断された。航空各社も九州の足を守るため、臨時ダイヤを組んで対応している。日本航空(JAL)のダイヤ編成の担当者に話を聞いた。【米田堅持】

「まずダイヤを」

 「九州の交通網を補完しなければ」。ダイヤの編成を担当するJAL路線計画部ダイヤ編成グループ主任の伊藤邦明さん(32)は、地震発生当初から、臨時便の対応を考え始めた。JALグループは、日本エアコミューター(JAC、鹿児島県霧島市)をはじめとするグループ各社の協力を得て、新幹線が不通となった福岡−鹿児島間などで25日までに133便の臨時便を飛ばしている。もともと混雑の激しい福岡空港に各社の臨時便が集中したことで、駐機場の調整は難航し、ダイヤの編成にも苦労した。

 一方で、現場からは「まずダイヤを」という声があがった。研修の延期や、安全性に影響のない整備スケジュールの変更で人と機材のやり繰りをすることで、航空機や必要な人員を確保した。

100回以上の調整と修正

 14日の地震発生当初は熊本空港が使用可能だったが、これまで熊本に1泊させていた航空機を毎日羽田へ戻し、翌朝、熊本に飛ばして始発に対応するダイヤに変更した。このため、16日未明の本震でも航空機に影響は出なかった。

 伊藤さんは臨時ダイヤの素案は30分から1時間ほどで作るという。ダイヤの編成は、航空機、乗員、整備士、整備計画、空港の状況などさまざまな要因が絡み合う。機材の大型化をして機種が変われば、ライセンスの関係で運航要員の変更も余儀なくされる。素案は、それらの要因を考慮しながら100回以上の調整と修正を経て半日ほどかけて出来上がる。通常のダイヤは、グループ長のもと伊藤さんたち2人が4カ月ほどかけて編成するが、熊本地震の場合は1日ごとに臨時ダイヤを編成した時期もあったため、他のグループから3人の応援を得て編成した。

機材のやりくりにも工夫

 JALは2010年の経営破綻以降、予備機や人員の余裕が少なく、その中でのやり繰りは厳しい。熊本では空港建屋が被害を受けたため一部の便を欠航させていることもあって、現在は機材を大型化させて対応している。ダイヤ編成では単に大型化するだけでなく、運航しやすくするための工夫も行っている。

 「(救援物資の輸送も考えて)羽田−熊本には可能な限りボーイング737−800や767の中でも、荷物の搭載量が多く、機内Wi−fi(ワイファイ)も使用できる新しい機体を投入している。伊藤さんは「同じ系統の機材を使うことで運航要員の確保を容易にしている」と話す。「自分より大変な人が九州にはたくさんいる。熊本に関わることは何でもやろう。そう思いながらダイヤを編成している」と語りながら、伊藤さんはパソコンの画面に向かい合った。

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