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高校生の政治活動

23府県・政令市「届け出不要」

高校生の政治活動事前届け出各教育委員会の判断

 高校生の校外の政治活動を巡り、15府県と8政令市の教育委員会が学校への事前届け出を「必要ない」と判断していたことが毎日新聞の取材で分かった。選挙権年齢の18歳以上への引き下げに伴い、文部科学省は高校生の校外での政治活動を認める一方、今年1月に出した教育現場向けの「Q&A」で事前届け出制も容認している。既に愛媛県の全59県立校と徳島県の一部県立校が事前届け出を義務付けており、地域によって対応が異なる実態が浮かんだ。【まとめ・伊澤拓也、高木香奈】

34教委「学校に委ねる」

 毎日新聞は4月下旬、47都道府県と20政令市の各教委に、高校生が校外の政治活動に参加する場合の対応について聞いた。事前届け出を不要と判断したのは、岩手▽秋田▽宮城▽茨城▽群馬▽神奈川▽静岡▽愛知▽岐阜▽滋賀▽大阪▽鳥取▽福岡▽佐賀▽大分−−の15府県と、仙台▽川崎▽静岡▽浜松▽名古屋▽京都▽堺▽広島−−の8市の教委。この中には「最終的には学校の判断に委ねる」とした教委もあった。このほか、神戸市は市立9校がそれぞれ「不要」と決め、北九州市は市教委と市立1校が協議して「不要」と判断。熊本市教委も「現時点で不要と考えている」と答えた。

 一方、28都府県と6市は教委としての判断は示さず「学校の判断に委ねる」とした。三重、沖縄両県と福岡市は「検討中」と答え、富山県と大阪市は対応を決めていなかった。北海道は毎日新聞の質問に答えず「文科省の通知の趣旨を踏まえ適切に行うよう指導している」と説明。相模原市は市立高がなかった。

 愛媛県教委は昨年12月、全校の教頭らを対象にした研修会で政治活動への参加を1週間前に担任に届け出る校則変更例を示し、校則を変更する場合は報告を求めた。その結果、全校が校則を変更した。徳島県では県立53校中15校が事前届け出を決め、更に5校が検討中という。これらの学校はアルバイトなどの校外活動を届け出るよう求めており、校外の政治活動も例外ではないと判断したという。

 一方、愛媛、徳島以外に事前届け出制を実施している学校について、把握している教委はなかった。

 文科省は1969年に高校生の政治活動を禁じる通知を出したが、18歳選挙権の実施に伴い、校外での政治活動を認める通知を昨年10月に出した。教育現場向けの「Q&A」で、学校側が「政治的信条を問わないこと」などを条件に事前届け出制も認めた。

地域で判断割れる…本人に任せるべきだ/政治信条に配慮必要

 事前届け出制を巡っては「思想・信条のチェックになりかねない」「政治参加を促す18歳選挙権の趣旨にそぐわない」などの批判が出ていた。届け出を不要と判断した教育委員会にも、同様の理由が目立った。

 福岡県教委は「学校の判断に委ねる」としつつ、教委としては「不要」と決めた。担当者は「事前届け出は集会や表現の自由に関わると判断した。政治活動を積極的に進めるべき時にそれを阻害する可能性がある。アルバイトの事前届け出とは話が違う」と話した。

 教委としては判断せず、学校の判断に委ねた埼玉県教委の担当者は「基本的に校外でやることは家庭と本人に任せるべきで、届け出制にする必要はないと思う」と語った。

 同じ「委ねる」派の京都府教委も「生徒が自分の考えを表明する権利を妨げられるようなことがあってはいけない。生徒の政治的信条を問うようなことにならないよう配慮が必要」と事前届け出制に慎重な見方を示した。

 一方、同じ「委ねる」派でも、秋田県教委の担当者は「届け出るにしても生徒の政治活動を縛るものではない。学校が生徒の安全を考えての対応だろう」と届け出にも理解を示し、青森県教委も「政治信条や支持政党を聞くわけではない。生徒が違法・暴力的活動に巻き込まれないよう支援するためで、それ以上の意味はないし、あってはいけない」と話した。

 「検討中」とした三重県教委は「生徒の安全や学業への支障などは当然考慮しなければならないが、思想信条に関わる問題で、過度に萎縮させることになってはいけない。難しい問題で、現場の校長らの意見も聞いて5月末までに判断したい」と双方の立場に理解を示した。

 静岡県教委は4月に県立全88校にアンケートしたところ、届け出制をしないと決めた学校が72校あった。【まとめ・伊澤拓也、高木香奈】

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