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性的少数者

男でも女でもない「Xジェンダー」に理解を

「Xジェンダー」の森田マリナさん=札幌市中央区で

 自らの性について、男女どちらでもないと感じる「Xジェンダー」と呼ばれる人たちが対談で率直な思いを伝え合い、その内容を5日、インターネット上で公開する。同性愛などの性的少数者については「LGBT」という言葉もあって認知度が広がってきたが、当事者たちは「性の在り方はもっと多様で、自分たちのような存在も知ってほしい」と訴える。【日下部元美】

     計画しているのは、体は女性だがXジェンダーという札幌市の会社員、森田マリナさん(28)=仮名=らだ。森田さんは昨年10月に札幌市の市民団体「FREE!!」が開設した性的少数者向け総合情報サイトの企画・運営に参加しており、5日に公開するサイト内の特集で、森田さんも含め当事者5人の対談を取り上げる。

     森田さんが自分の性に違和感を覚えたのは、高校1年の時。体育の授業前に更衣室で、同級生の女子を異性と意識したためだ。

     しかし自分を「男」とも思わず、「レズビアン(女性同性愛者)」でもなかった。高校時代は自分は何なのかと悩み続けた。卒業後に就職したが、「女性として対応されること、化粧することが苦痛だった。自身に気持ち悪さを感じていた」。

     だが20歳のころ、ネットで自分と同じXジェンダーが多くいることを知った。「私とは逆に男女両方の性を感じる人もいた。性のあり方は七色のグラデーションと表現されるが、本当にその通りだった」と話す。

     森田さんは最近、「男でもなく女でもないが、これでいい。私は私だ」と思うようになったという。そして自らの情報発信で「私のような人がどうしたら楽しく生活できるか考えていきたい」と笑顔で語った。

    ことば「Xジェンダー」

     身体的には男性または女性だが、そのどちらでもないと感じている人を指す、日本での通称。性的少数者を指す「LGBT」はレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(体の性と心の性が一致しない人)の頭文字から取られている。国際的にはSOGI(ソジ、Sexual Orientation and Gender Identity)という総称で、性的少数者とそれ以外の人を区別せず、性を議論する流れがある。

    医学で明確な説明困難

     大阪医科大病院の康純准教授によると、心と体の性が一致せず苦しむGID(性同一性障害)と診断されるケースもあるが、男女の両方の性に違和感を感じるXジェンダーは該当せず、現在の医学では明確に説明できないという。

     康准教授は「おかしなことでも何でもない。性のありようを自分自身で受け止めよう」と当事者に説明しているといい、「どのような性でも社会は受け入れることが大事だ」と話している。

     性的少数者の問題に詳しい同志社大の菅野優香准教授も「性の在り方は多様で、『女らしさ』『男らしさ』といった社会的概念について問い直してもいいのではないか」と指摘する。【日下部元美】

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