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中東のシリアでは、5年以上も内戦が続いています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、約480万人が国外に避難し、約97万人がヨーロッパに渡っています。そして一部は、日本にも逃れてきています。
申請したのは60人以上
NPO法人「難民支援協会」によると、昨年9月時点で日本には400人以上のシリア人がいて、60人以上が難民の申請をしました。しかし政府が難民と認めた人は3人だけでした。
シリアではアサド大統領が独裁を敷いていて、反対する人を武力で抑えつけています。ジュディ・ユーセフさんは反政府デモに参加したことがきっかけで命の危険を感じ、2012年、たまたま入国を許可するビザが下りた日本に逃れてきました。
人道配慮などで対応
ジュディさんは、難民支援協会のサポートを受けながら、申請の手続きをしましたが、難民と認められませんでした。ただ、危険な状態にあるシリアには帰れないとして、人道(人として守るべき道)上の配慮によって滞在が認められました。
ジュディさんは難民として認められなかったため、家族を日本に呼び寄せることができません。しかし、同協会が日本政府などに働きかけて、特別の対応として呼び寄せが実現。2015年1月に家族と再会することができました。=おわり
■難民について私たちにできること■
【知る】
●「この人はなぜ? いま、日本からできること」(UNHCR)
http://www.unhcr.or.jp/info/textbook.html
●「なんみん応援隊」(UNHCR)
http://www.unhcr.or.jp/ouentai/index.html
●国連UNHCR協会 http://www.japanforunhcr.org/
●「難民を知る」(難民支援協会) https://www.refugee.or.jp/refugee/
●学習まんが「なんみんと日本」、ワークブック「なんみん 故郷をはなれて」など(問い合わせは難民事業本部へ)
http://www.rhq.gr.jp/japanese/profile/data.htm
※6月20日は「世界難民の日」です。各地で関連するイベントが開催されるので、調べて参加してみましょう。
【寄付する】
●読み終えていらなくなった本を寄付して、日本に逃れてきた難民を支援する活動に役立てる(難民支援協会)
http://www.refugee.or.jp/support/kifubook
●着なくなったユニクロやジーユーの服を寄付して、難民キャンプで生活する難民に届けてもらう(ファーストリテイリング)
http://www.uniqlo.com/jp/csr/10MillionWaysToHelp/