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8府県「コメに影響」 国の生産額試算と隔たり

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の農林水産物への影響について、これまでに計38道府県が地域別の試算を終えたことが毎日新聞の集計で分かった。政府が生産額への影響はないとしたコメについて、8府県が独自に試算した結果、生産額が減少する場合もあるとの結論を得た。安価な輸入米の増加で、国産米の価格も下落すると見込まれるためで、TPPに対する地域の懸念は根強い。

 TPPの主要農産物への影響を巡っては、農林水産省が昨年末、関税削減・撤廃による国内価格の下落で生産額が計約1300億〜2100億円減少するとの試算を公表した。試算の方法は公表しており、多くの自治体がそれにならって試算した。最も影響が大きかったのは、農業が盛んな北海道で、最大598億円の生産額減を予想。畜産が盛んな宮崎県は最大93億円、宮城県は最大78億円などとしている。

 一方、米国と豪州から最大7万8400トンの無関税輸入枠が新設されるコメを巡っては、8府県が独自の考え方でも試算した。政府は、輸入と同量の国産米を政府備蓄米として市場から買い上げて需給を維持するため生産額の減少はゼロと試算した。これに対し、青森、福井、熊本の3県は「業務用米を中心に安価な輸入米と競合することで価格が低下する」と予想。青森は23億円、福井は15.2億円、熊本は13.6億円の生産額が減少すると見込んだ。

 国の試算公表に先駆けて独自に試算した和歌山県も12.4億円、滋賀県は18億円の減少とそれぞれ予測。米どころの新潟県は、価格が下落した場合は92億円減少するが、輸出が増えれば最大172億円増加するなど複数のパターンを示し「影響を明確にするのは困難」とした。兵庫県と京都府は、農家支援策などを講じない場合の試算を出しており、兵庫の減少額は最大48.8億円、京都は1.4億円だった。

 JAグループでも、一部の県組織が地域ごとに独自の試算を公表。JA秋田中央会は、学識経験者に推計を委託し、農産物全体で生産額が最大287億円減少するとしたが、これは県試算の約24倍にあたる。JA静岡中央会も最大256.8億円減少すると見込むなど、影響の大きさを強調する。これに対し、全国農業協同組合中央会(JA全中)は「数字が独り歩きして混乱が生じかねない」などとして全国統一の試算実施を見送っている。【松倉佑輔、寺田剛】

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