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発電所の水が大量流出 周辺集落で泥流被害

損壊した黒川第1発電所の貯水槽(手前)と土砂被害にあった集落=熊本県南阿蘇村で2016年4月20日、本社ヘリから須賀川理撮影

 熊本地震で熊本県南阿蘇村立野の山間部にある九州電力の水力発電所「黒川第1発電所」の貯水施設が損壊し周辺で土砂崩れも起きたことについて、九電が今月中旬にも現地調査に入ることが分かった。九電によると、損壊で推定1万トンの水が流出しており、土砂崩れや付近の集落被害との因果関係を調べる。有識者の意見も取り入れる方針。集落では少なくとも民家9戸が泥流で被災し2人が亡くなっている。

     九電によると、黒川第1発電所は黒川の取水堰(ぜき)から引いた水を導水路で標高約450メートルのプール状の貯水槽に導き、流下させて発電している。集落は貯水槽から南西に約300メートル下った場所にあり、貯水槽との標高差は約110メートル。

     4月14日夜の地震発生後の点検では施設の異常は確認されなかったが、16日の本震後にヘリコプターで上空から調べたところ貯水槽が壊れていた。貯水槽の余った水を流す水路も、崩れた斜面を通っている部分が損壊していた。損壊により一般的な50メートルプール四つ分の容量に相当する約1万トンの水が流出したと推定されるという。本震発生時、2機の発電所のうち1機が稼働中だった。

     集落の男性(59)は16日午前1時25分の本震直後、自宅にいて外でゴーッと音がするのを聞いた。「土石流と思い逃げようとしていたら、家の中に泥流が流れ込み膝までつかった」。当時雨は降っていなかったという。民家5戸が流され、4戸が泥に埋まった状態となり、流された家に住んでいた片島信夫さん(69)と妻利栄子さん(61)が亡くなった。2人は自宅から数十メートルほど離れた泥の中から遺体で見つかった。

     こうした被害に対し、九電熊本支社は「(貯水施設損壊との)因果関係があるかないかも含めて詳細に調査する。調査の透明性、客観性を担保するため、調査のあり方の検討に外部の有識者を活用することを考えている」としている。まずは現地で目視と土砂採取による調査をした上で、地質を調べるボーリングも実施する予定。

     集落の区長の男性は「水がなければ被害は小さかったはず。村を交え補償を前提に九電と協議したい」と話している。

     熊本地震の被災地の現地調査を続けている北園芳人・熊本大名誉教授(地盤防災)は「強い揺れで土砂崩れが起こり、その衝撃で設備が壊れたのだろう。土砂とともに流れた水が被害を及ぼした可能性はある」と話している。【取違剛】

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