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熊本地震

避難者システム未活用 支援情報届かぬ恐れも

 東日本大震災を機に、県外避難者の居所を把握するために総務省が設置した「全国避難者情報システム」が、熊本地震では活用されていないことがわかった。被災者支援団体は「これでは被災者のリストが作れず、税減免などの支援情報が届かない恐れがある」と指摘している。

     東日本大震災では、住民票を地元に置いたまま被災者が全国各地に避難、被災地の市町村が住民の居場所をつかめず、支援が滞った。このため総務省は2011年4月に全国的な情報システムの構築を通知。被災者が避難先の市町村に居場所を知らせると、地元の県や市町村に情報が伝わり、見舞金など各種給付▽国民健康保険証の再発行▽税や社会保険料の減免や猶予−−などの支援情報が届くようになった。

     復興庁によると、岩手、宮城、福島の3県以外への避難者は11年7月時点で5万8000人を超え、このシステムが避難者の把握に役立った。県外避難者は現在も4万人以上にのぼる。

     一方、今回の地震で総務省は「システムの適用は可能だが、熊本県からの要請がない」として稼働させていない。熊本県は県内の被災者の対応に追われ、県外避難者の実態は未把握。情報システム活用は「他の制度も含め検討中」という。熊本市も県外避難者の情報は「把握できていない」としている。

     熊本、大分両県から他県へ避難した小中学生は、九州だけで少なくとも563人に上ることが、各県教委への取材でわかっている。病院の損壊で県外避難を余儀なくされた患者もおり、県外避難者は相当数にのぼるとみられる。熊本県では地震がなお続いていることから、県外への広域避難を勧める災害専門家もいる。

     避難者を支援する「まるっと西日本」(大阪市)の古部真由美代表世話人は「国はもっと積極的に県外避難者支援に乗り出すべきだ」と話している。【斎藤義彦】

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